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NHK教育テレビ番組「にほんごであそぼ」clear.gifhttp://www.nhk.or.jp/kids/program/nihongo.html

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「和」に偏りすぎない、目で誘うデザイン
衣装セットデザイナー ひびのこづえ氏


衣装デザイナーのひびのこづえ氏は「にほんごであそぼ」で初めてセットデザインも手がけた。伝統芸能や近代詩といった“和”がテーマにあっても、現代的なセンスのデザインは番組の顔でもある。


ひびのこづえ氏
ひびのこづえ氏

最初は衣装だけの仕事でした。声をかけていただいたのが光栄だったし、出演者も野村萬斎さんや神田山陽さんといったユニークな方々で、佐藤卓さんがアートディレクターを務める番組に参加できるのはおもしろそうだなと思いましたから。
基本的に舞台などの衣装と違いはありませんが、セットまで手がけていることが大きく異なりますね。佐藤さんに『セットもやってみたら?』と軽く言われて、私としては『えーっ! できるかなー!?』という気持ちでしたが、できませんとは言えずやることになって(笑)。でも皆さんがこういう実験的なセットや衣装を許してくださるので、私はすごくやりやすいですよ。
山陽さんの衣装も、机と椅子がくっついちゃったのを作ってますし…実は、最初からくっついて一緒に動くという衣装を考えていたんですが、放送当初は普通に机に向かって座るというシチュエーションになっていて、ちょっと悔しいなとは思ってたんです。でもロケに出ることになってから、だんだん意図通りになってきました(笑)」


実験的だというセットデザインは、伝統芸能と組み合って斬新な演出となる。
たとえば野村萬斎氏が演じる「風の又三郎」では、床から浮かぶようにたくさん配置した銀色の風船を、草むらに見立てた。


「草がわーっと生えていて、風が『どっどど どどうど』という独特のリズムで吹き、草がなたびき、ちょっと薄曇りの空で、というイメージです。でもセットで草をそのまま作ると、チープになってしまうんですね。だから違う解釈をしてしまったほうが、良い。風船が揺れて風を感じさせたり、銀色の球面に姿が映り込んだり、という様々な要素をリンクさせようとしています。『えっ何これ』って、目で誘えたら良いのかなって思っています」


「萬斎さんの衣装については、まずスーツをストライプ柄にしたいと提案しました。狂言の動きって少し腰を落としていながらすっとした姿勢があるので、それをより強調できれば良いなと思ったし、そのストライプがいろんな表現に繋がっていったらおもしろいと考えたんです。『風の又三郎』でも、草が縦に伸びるイメージと、萬斎さんが着ている縦ストライプの衣装が、ただ無地のものよりもうまく重なりあうような見え方を作りたいと思いました。
毎回、演目が決まったときに、まだ出演者の動きが何もわからないという状況でデザインしています。いつも締切に追われる感じで、間に合わせなきゃ、というのが正直なところかもしれませんが(笑)」



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「interview 2 / “子ども”ということだけを意識しないこと」




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