連載100回に向かう、今後の展望

現在、『コンビニでのお作法』で79回目を迎えた『大人たばこ養成講座』。その先に見えているのは、100回という記録だ。野本氏を引き継いで新たに担当者となったJTの渡部氏にも、チームの一員として役割りをふまえた展望がある。

JT渡部智氏
JT渡部智氏

JT渡部智氏 「当面の目標として100回というのは意味があると思っています。フォーマットは維持しながら、クオリティの高いものを出し続けていきたいですね。作る側として興味をもちつづけ、世の中の人が広く関心をもってくれるものにアンテナを張って。
現在は『初級編』ですから、今後も成長し続ける『お作法』を盛り込んでいきます。クリエイター2人の力を発揮してもらうと共に、今後の展開と方針もまた意見を出し合って見つけていきたいと思っています」

寄藤文平氏
寄藤文平氏

Y 「今の状態がキープされていくのが重要じゃないかなと感じています。ただ同じことを繰り返すのはキープされていなくて、落ちていくものなので、むずかしい。
むしろ、常にヒットじゃなくていい、ちょっとつまらないっていうケースもあっていいんじゃないかっていう感覚があります。15コマすべて完璧でなければならなかったとしたら、どこかの段階で息切れして、ちょっとつまらなくなった時に続けていけなくなったんじゃないかと思っていて。さっきの打者の話で言えば、基本的に3割打てていればOK、と。15コマのなかで5コマおもしろければそれでいい。これからも、全体の3割、これほんとにおもしろいな、という絵を描いていきたいですね。
本を出したときに返信されてきた読者カードを読んでわかったんですが、同じことでも人によってとらえかたが全く違うんですよね。自分のおもしろい、に強くこだわるよりも3割くらいがいいんじゃないかと思います。今回はちょっと新しいことをしてみたくなったら挑戦してみて、普通がいいと考えたらそのまま表現して。その結果、3割おもしろければいいんじゃないかって勝手に(笑)思ってます」

岡本欣也氏
岡本欣也氏

O 「本当は、これからどうしたいか、どうなるか、深く考え込んではいないんです。寄藤さんが言うように、淡々と継続してくことが大事だろうし。
ブランドってことと近いかもしれません。企業広告でのブランディング、というのはよくある企画だと思いますが、1回か2回の広告で変わるわけがないんですよ。それに対して、この大人たばこの施策は長い期間続いていて、わりと広く浸透している。やっぱりそれは時間が違うんですよね。せせこましく数回で結果だしたいんだと言わずに時間をかけている、JTの人格みたいなものが認められて、いいなと言われているんだと思う。そこを変えないで続けることが必要ですよね。中身はどのみち、シチュエーションのひとつずつは時代によって変化していく、たばこのとらえかたも変わっていくものだから、土台さえ大事にしていきさえすればいい。チーム全体ではそのコンセンサスがとれているから、軸を振らさずに続けていければいいですよね」

JT野本啓之氏
JT野本啓之氏

N 「僕らがクリエイターふたりのためににできるのは、エネルギーを注ぎやすい環境をつくること。
ブランドは常にリフレッシュしないと価値は下がってくるので、JTも担当者の若返りを図っています。でもクリエイターは若返りをはかれません。感覚的なことは大丈夫そうですが、体力的な心配は少し、あります。
もうひとつある心配事は、たばこの環境。どんどん吸える場所が限られてきている問題です。大人たばこのような施策がきっかけで、たばこを人前で吸える場所がふえたり、事情が好転してくればいいなと期待はしています。
JTから提案した“大人”というキーワードのとおり、たばこ会社としてきちんとした大人の姿を発信していこうという方向が強かったのがよかったんだとは思います。若者を振り向かせる手法として、この形はよかったと思っています。
他にJTがクライアントとしてやるべきことは、社内へのアピールです。この施策による効果がJTにとってどういう価値があるのか、その足跡を確かなものと位置づけることで、天才クリエイターが活躍できる環境を整えることにも繋がるんじゃないでしょうか」

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