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Interview :
Frédéric Diratzonian（フレデリック・ディラツォニオン）氏
サンテティエンヌ美術学校でのワークショップの体験について、インタビューに応じてくれたFrédéric Diratzonian（フレデリック・ディラツォニオン）は、当時、サンテティエンヌ大学の2年生に在学していた。
筆者 ： 何を基準にMasayo AVEのワークショップを選びましたか？ 以前から彼女の作品をご存知でしたか？
フレデリック・ディラツォニオン氏 ： 当時、Masayoのことを全く知りませんでした。女性デザイナーであり、日本人でいることに興味を持ったのですが、「Sound of Materials」という表題にとても詩的なイメージを持ちました。
筆者 ： ワークショップの経過についてお話ください。学校で学ぶデザインとワークショップは異なる時間と空間だと思いますが、その中で、何を発見し、感じましたか？
ディラツォニオン ： 3週間に渡るワークショップが、8名の学生を伴って始まりました。僕は2年生でしたので、それまでは学校の課題をこなしていくことしか知りませんでした。Masayoは、初日に自らの作品を生徒にプレゼンテーションした後、ワークショップのテーマについて説明をしました。並行に開催された他のクラスでは、皆がバラバラに行動していたようですが、Masayoは、我々を指揮者のような立場で導いていきました。命令を下す指導者ではなく、枠組みをしっかりと捉えた上で、様々な実験を自由に挑戦させてくれました。フランスの教育では、チームワーク作業をあまり行いません。このワークショップで、個人の価値観がグループを尊重しながら織りなすことで、パワーをつけることを学びました。僕が大学3年間で学んだことの90％は、Masayoの3週間のワークショップに集約されたといっても過言ではないと思います。
筆者 ： ワークショップ終了後、サンテティエンヌを卒業されるまでに、何か志したことはありますか？
ディラツォニオン ： 自分に対して、仕事に対して厳しくなれたことです。デザインは、コンピュータに向かいマウスを動かすことではないことに気づきました。あらゆる道具や素材に触れ、自らの手を動かすことで、デザイナーもデザインも成長していくのです。
筆者 ： 人生にデザインは何を与えるべきだと思いますか？
ディラツォニオン ： 消費社会を追いかける時代は、終了したのではないでしょうか。今後のデザインは、環境問題を意識せずには取り組んでいくことはできません。僕自身、就職活動の最中で、将来への迷いもあります。Masayoから、クリエーションの世界では、モノづくりの発端から完成するまでに通過するプロセスは、全て連鎖していることを学びました。僕は写真が好きで、ワークショップ期間中も、記録係として撮影していたのですが、細部に気をとられすぎて、最終の展示の全体光景を記録に納めることを忘れるという大失敗をしました。あのワークショップは人生一度きりのチャンス、それを人々に伝えるためにデザインした展示会場を、今、誰かにリアルに伝えるとしたら写真しかないのですから、取り返しのつかないことをしたと、今でも思い出します。これからも、色々な文化や人々に触れて成長していきたいです。
筆者 ： 一言でMasayo AVEを表現する言葉は？
ディラツォニオン ： 「直観」
。どんなことにも対応できる能力でもある直観力の素晴らしさに感銘しています。Masayoは、僕の先生です。 【写真 5〜8】
※2003年11月、パリ10区にてインタビュー
そして、このワークショップから、フランスのプロダクトエディターでもあるINDUSTRIELLE（アンドゥストリエル）より、COLORATURA パーティートレーが商品化されるのである。
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【 5 】 Masayo Ave workshop
Sound of Materials, St.Etienne 2001
Ecole des Beaux-arts in St.Etienne, France
15 Oct. - 5 Nov.2001
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【 8 】
サンテティエンヌワークショップ参加者：
Maud Rondard,Marlene Sarres, Rodolphe Aloi Berthon, Marie-José Antonacci,
Peggy Chareyron,Natasha Huscova, Frédéric Diratzonian.
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