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Rebirth House

人が集う役割を継承した“蔵のある風景”
■デザインコンセプト
担当 松井亮 / 松井亮建築都市設計事務所


1000坪を越える敷地にはさまざまな木々や草花が生い茂り、母屋、離れ、蔵などが点在する。築120年の蔵は、東日本大震災による損傷から取り壊しが検討されていたが、曽祖父から引き継がれた“蔵のある風景”を残したいという建主の思いから、継承の方策を練ることになった。

代々、この住まいは人が集う場所としての役割を果たしてきた。家族や親戚だけではなく、農業従事者をはじめとする地域住民との交流の場として、蔵を集会所、離れをゲストハウスとして改修する計画とした。家族に愛された“蔵のある風景”は、社会に開かれた風景として生まれ変わる。

再利用可能な瓦や小屋組みを丁寧に解体し、屋根の形状を復元させた。主体がモノから人へ変わることで、従来の蔵には必要とされなかった光や風を取り込むための窓が必要となる。そこで、水処理用ろ過材などに利用される有孔レンガを白く塗り、多孔質なファサードで壁を覆った。既存の蔵にあった妻側の窓は再現し、新しい窓は壁と同化させた。重厚な瓦の下に風合いのある白い壁が佇み、かつての蔵の様相が蘇る。

内部に入ると淡い光に包まれ、軽やかな風を取り込むことができる。蔵の中に漂うしっとりとした感覚と相まって、集会所として相応しい一室空間となった。日が暮れると、白い壁に窓が浮かび上がり、人の集いが顕在化する。地下は人を招き入れるためのワインカーヴとなっている。レンガの形成過程で発生する半端材を内壁にも利用し、蔵の再築プロセスの記憶を残した。

離れの構成は、キッチンを備えた共用部と客室が2つ。既存の縁側や蔵のある庭に向かって大きな開口部を設け、庭と繋がる開かれたゲストハウスとした。庭を挟むふたつの建物は対照的な佇まいであり、人と人が繋がる結節点として多様な集い方を提供することができる。
所在地 茨城県守谷市
設計 松井亮建築都市設計事務所
用途 集会場・ゲストハウス
施工 関根工務店
階数 地上1階地下1階
建築面積 20.5m2
述床面積 40.1m2
撮影 ナカサアンドパートナーズ / 河野政人
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