Le MISTRAL

商品陳列のためのガイド・グリッドを装飾表現とした空間

デザインコンセプト
担当:松島潤平/松島潤平建築設計事務所

海外雑貨を取り扱うギフト・ショップ「Le MISTRAL」の店舗内装デザイン。

さまざまな形や色の雑貨が並ぶ物販店舗においては、商品陳列が空間の印象を大きく決定付ける。そこで、陳列のためのガイド・グリッドを室内に張り巡らせて、それをそのまま空間の装飾表現とした。

既存の躯体から引き出された補助線をもとに什器の輪郭、棚板の小口、テーブルのフレーム、ドア枠に至るまで、すべて15mm幅の白いラインが通るように設計した。

ガイド・グリッドに囲われた領域の色は、ブランドのイメージ・カラーである濃紺を用いた。雑貨の背景として空間を引き締める役割を持たせつつ、ラワン合板を浸透性塗料によって染め上げることで木目のエンボスを残し、またモールディングの縁取りによって、クラシックで温かみのあるニュアンスをつくり出している。

左右の棚には同じく濃紺に染めたラワン合板でつくられたトレイが載る。店舗中央にあるアイランド・テーブル上のアミダ模様はその各種トレイに合わせた寸法で引かれており、トレイの置き場所を換えることでランダムな表情が空間に生まれる。

メラミン製の白線と、質感に溢れた、エイジングするラワン合板がもたらす対比が、空間の秩序と多様性を共に担保し、またトレイのシステムによって、日々変わる陳列の鮮度を感じさせる仕掛けも組み込んでいる。

商品の色彩と形状がより美しく魅力的に感じられる、「秩序ある背景」としてのグリッド・インテリアをつくった。

所在地 東京都港区南麻布5-1-8
主要用途 店舗
工事種別 改修
施工面積 61.42m2
設計監理 松島潤平 / 松島潤平建築設計事務所
施工 イノウエインダストリィズ
施工期間 2014年4月~2014年5月
撮影 Takumi Ota