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ロードサイドに出現した空中都市

デザインコンセプト
担当:一級建築士事務所 タスエス

車だけが行き交う、ひと気のないロードサイド空間。地方都市でお決まりの光景である。完全なる車社会の中で、幹線道路沿いには、巨大ショッピングモールを筆頭に、娯楽施設、ホームセンター、家電量販店、飲食店…、様々な建物が建ち並び、行き交う車にアピールすべく大きな看板を掲げている。
その看板に価値を見いだし、それをモチーフにした小屋を群居させて5m上空に街を形成した。

各々は異なる反射特性を持つ金属板を身にまとい、うつろう空や近隣環境を映し出す。また、ここで営まれる生活の“生”さを、編集しつつ増幅させて発信する。とある社屋の屋上に突如現れた空中都市は、無表情な看板によって地域に認知され、やがて地域のコミュニティの場となるであろう。一企業の地域密着の在り方を模索した建築である。

所在地 三重県鈴鹿市
用途 事務所、寄宿舎
敷地面積 903.87m2
建築面積 353.50m2
延床面積 442.11m2
構造 鉄骨造
規模 地上2階建
竣工 2014年11月
オープン 2014年12月
設計 タスエス/松下慎太郎 + 鈴木崇志
knit/生田直人
施工 大野工務店
撮影 平井広行