- デザインコンセプト
- 担当:nendo
ベルギーのアントワープを拠点に活躍する二つ星シェフのバート・デスミット(Bart Desmidt)が手掛けるチョコレート専門店「BbyB」の海外初店舗。
チョコレートの外見はどれも全く同じスティック形状でありながら、中には「ストロベリー&胡椒&レモン」や「パッションフルーツ&バジル」といった個性豊かなフレーバーが入っており、これが実に30種類近く用意されていることが特徴である。
同じ形状のため、パッケージはモジュール化されていて、スライド式の箱の中には5本のチョコレートがキレイに収まり、さらにそれをピタリと5個収納できるキューブ型の箱が用意されている。何回も引き出していくことで徐々に全容が明らかになり、最後に口に含む瞬間まで驚きが隠れている様子がまるで「魔法の引出し」のようであることから、店舗には「チョコレートが浮遊する透明な引出し」を中央に置き、訪れた人が自らの手で商品を引き出しながら購入することで、パッケージの世界観をそのまま空間化したようなお店となった。
奥に進むに従い、透明な引出しはそのままチョコレートを個別に陳列するためのショーケースとなり、さらにカフェ用のカウンターテーブルへと機能を変化させる。この全長12.5mの家具が収まる細長い空間は、手前が真っ白なのに対してカフェ・スペースは真っ黒にすることで、ここでもキューブ状のパッケージの色使いを踏襲することを考え、また、白い部屋にはパッケージをタイル状に貼り巡らすことで壁一面が引出しであるかのように見えるデザインとした。こうすることで、お店からパッケージ、そして食べるまでの行為が柔らかく連続し、より一体的で魅力的な体験となることを考えた。
所在地 | 東京都中央区銀座3-4-5 |
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オープン | 2015年2月 |
デザイン | nendo |
共同設計 | 乃村工藝社 堀田真澄 |
施工 | 乃村工藝社 |
面積 | 72.6m2 |
撮影 | Daici Ano |