「KARIMOKU NEW STANDARD」は、“家具が置かれる「日常」”をテーマに、過去二年のミラノサローネでも様々な空間づくりが行われてきた。一過性の流行で終わることのない、暮らしのパートナーとしての家具に出会えるような提案を、毎回試みている。

今年の会場に選ばれたのは、ミラノ市内中心にあるErastudio Apartment Gallery。いくつかの部屋に分かれたアパートメントのようなギャラリーだ。長い年月をかけて愛され続けた建物の随所には、その場を通り過ぎた時間の流れが滲み出る。そこに「KARIMOKU NEW STANDARD」のコンセプトが重なりあうことで、ホワイトキューブで見る家具とは異なる趣きを感じるだろう。

会場には「KARIMOKU NEW STANDARD」のプロトタイプを含む全アイテムと、参加デザイナーが他プロジェクトで生み出したアイテムなどを置くことで、空間と家具の関係をゆるやかにつなぐ。

「KARIMOKU NEW STANDARD」は、2009年の立ち上げ当初から柳原照弘氏をクリエイティブディレクターに起用し、国内外で活躍する気鋭デザイナーとカリモク家具の技術が融合するアイテムを展開してきた。

参加デザイナーは、オランダのScholten&Baijings、スイスのBig-Game、ベルギーのSylvain Willenz。そして今年は新たにスペインのTOMÀS ALONSO、スウェーデンのTAF、そして現在ローザンヌのECALに在学中のLUCIEN GUMY が加わる。

日常にはかかせない「食」と連動した展示も行われる。「食」を切り口に新しいデザインコンセプトを生み出す、イタリア人女性デザイングループのアラベスキ・ディ・ラッテが『FOOD TOKENS』と題したおつまみコレクションを展開。KARIMOKU NEW STANDARDの展示と融合し、4つの部屋にれぞれディスプレイされる。
また、会期中の4月19日には、一日限りのフードイベントも開催される。