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IFFT/インテリア ライフスタイル リビングのアトリウム 特別企画、今年は「THE HOTEL 〜旅館とおもてなし JAPAN〜」と題して、個性的でコージーな空間のための製品が集められた、ディレクターはt.c.k.wの立川裕大氏

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングのアトリウム 特別企画、今年は「THE HOTEL 〜旅館とおもてなし JAPAN〜」と題して、個性的でコージーな空間のための製品が集められた、ディレクターはt.c.k.wの立川裕大氏

日本の家具のいま-IFFT/インテリア ライフスタイル リビング (1)

2015/12/24 10:00

家具とインテリアの見本市「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」が、2015年11月25日から27日の3日間、東京ビッグサイトの西ホールで開催された。出展者数は、18カ国・地域から431社と過去最高で、来場者は17,999名と前年を大きく上回ったという。

アトリウム 特別企画「THE HOTEL 〜旅館とおもてなし JAPAN〜」の屏風絵

アトリウム 特別企画「THE HOTEL 〜旅館とおもてなし JAPAN〜」の屏風絵

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングとは

IFFTとはInternational Furniture Fair Tokyoの略で東京国際家具見本市のこと。1979年に始まったIFFTだが、2008年からインテリアのライフスタイル提案も強化することとなり現在の名称になっている。現在のIFFT/インテリア ライフスタイル リビングを主催するのは、IFFTを主催していた一般社団法人日本家具産業振興会と、見本市「インテリア ライフスタイル」等の主催で知られるメサゴ・メッセフランクフルトの二社。それぞれの得意が発揮された他に類を見ないユニークな見本市として、関係者にとって秋の東京のメインイベントとなっている。

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングの「黒の世界」、芦沢啓治建築設計事務所とインテリア誌『CONFORT』による特別企画。黒ガラスや焼き杉など、素材としての「黒」を考察する内容

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングの「黒の世界」、芦沢啓治建築設計事務所とインテリア誌『CONFORT』による特別企画。黒ガラスや焼き杉など、素材としての「黒」を考察する内容

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングの開催にあわせて、東京都内では家具やインテリア、空間に関する他のイベントも行われる。今年は、TABLOIDで商空間エレメントの展示会「BAMBOO EXPO」、AXISギャラリーで「宮崎椅子製作所 2001-2015の全椅子展」、外苑前と南青山のインテリアショールームを夜に巡る「MAIN(Minami Aoyama Interior Network)」等が同じ時期に開催された。

来年は11月7日から9日に東京ビッグサイトの東4・5・6ホールに場所を移し、規模を拡大して開催されることが決まっている。TOKYO DESIGN WEEKにも近い時期となり、どのように盛り上がるのか今から期待が高まる。

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングには家具と共に様々なインテリア商材の提案も集まる。これはイド(id inc.)による花をモチーフとした形状の磁石「HANA」

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングには家具と共に様々なインテリア商材の提案も集まる。これはイド(id inc.)による花をモチーフとした形状の磁石「HANA」


若手デザイナーを支援する人気企画「TALENTS」から「YOUNG DESIGNER AWARD 2015」を受賞し「アンビエンテ 2016」に出展するMUTEのブース、これはシェルフの提案

若手デザイナーを支援する人気企画「TALENTS」から「YOUNG DESIGNER AWARD 2015」を受賞し「アンビエンテ 2016」に出展するMUTEのブース、これはシェルフの提案

日本の家具産業の今

ところで、国際家具見本市というとミラノサローネで知られるミラノの国際家具見本市が有名だ。他にもドイツのケルン、スウェーデンのストックホルムの家具見本市が世界的な存在として知られるが、東京はそうした国際的な存在と比較すると小規模だ。世界的な見本市の一角として地位を確立している東京モーターショーやファッションウィークとは状況が異なる。

産業規模の目安として家具の売上高を見ると、シェアの過半を占めると言われる業界最大手のニトリホールディングスの連結売上高が4172億円(平成27年2月期)、家具以外も扱うが良品計画の同が2602億円(同)、大塚家具の同は550億円(2014年)だ。たとえばトヨタ自動車やソフトバンクの経常利益が1兆円であることを考えると、その規模の違いが分かる。

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングの「日本の木 ニッポンの家具」、国産広葉樹や加工技術の進展によって可能性が広がってきた国産針葉樹など、家具材料としての国産材に目を向けその可能性を探る試み

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングの「日本の木 ニッポンの家具」、国産広葉樹や加工技術の進展によって可能性が広がってきた国産針葉樹など、家具材料としての国産材に目を向けその可能性を探る試み

そして、日本に流通する家具のほとんどは日本製ではない。平成25年の日本における家具の工場出荷額は、九州の大川と愛知が500億円弱で拮抗しており、それらの半分以下の規模で静岡、岐阜、旭川が続いている。主要産地の合計は2000億円程だ。一方、平成25年の家具輸入は5189億円で2.5倍ほど。ちなみに輸出は959億円で、しかもその9割は完成品ではなく部分品である。

日本における家具のあり方

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングのLIFESTYLE SALONに登壇し「日本の家具のいま」と題して講演する筆者

IFFT/インテリア ライフスタイル リビングのLIFESTYLE SALONに登壇し「日本の家具のいま」と題して講演する筆者

そもそも日本の暮らし方は床座である。日本人にとって床はきれいなもので、そこに座ることは当たり前のことだ。源氏物語等の絵巻にあるように貴族の暮らしにも家具は存在しなかった。江戸時代、経済が発展し身の回りの物が増えたことで箪笥は普及したが、椅子を始めとする西洋家具の普及は明治維新以降の話で、様々な家具が普及したのは戦後の高度成長以降のこと。

飛騨・世界生活文化センター「ミュージアム飛騨」の展示、遣隋使や遣唐使の時代、中国文化を取り入れて宮廷には椅子等があった

飛騨・世界生活文化センター「ミュージアム飛騨」の展示、遣隋使や遣唐使の時代、中国文化を取り入れて宮廷には椅子等があった

江戸時代に作られた桂離宮のインテリア、収納は建築と一体化し家具は存在しない

江戸時代に作られた桂離宮のインテリア、収納は建築と一体化し家具は存在しない

オフィス、学校、病院、商業施設等で使われるコントラクト家具(契約し大量に作る家具)は靴を履いた状況で使うので、西洋と同じような考えた方が成り立ちやすい。だが、一般家庭においては、西洋の家具なり暮らし方をどのように取り入れるのか、という問題がある。たとえば、日本の家具産業が一時代を築いた、応接室の応接セットや婚礼家具というパッケージ提案は、日本人が自分たちの暮らし方を模索する中で生まれた日本流な家具とも言えるだろう。

いま、求められる家具とは

現在、特に都会においては、核家族というあり方すら次の形へと変容しつつある。古くからの大家族が残る地域と合わせて、日本の住環境とライフスタイルはさらに多様に変化している。

また家具の主たる材料である木と、それを育む森林の問題もある。間伐が行われない人工林や、植栽が行われない伐採跡地、国土面積の2/3が森林という世界3位の森林大国ながら崩壊と表現される林業。そうした背景もあり、国産材の競争力はコストや安定的な供給といった面で外国材と比べ劣っている。日本で家具づくりを継続することはできても、外国材で作らざるを得ないのが実情だ。

このように決して簡単ではない状況だが、技術や伝統を受け継ぎ、志を持ち新たな家具づくりを行う動きは数多く存在する。中には、国産材での家具作りに挑んでいるメーカーもあり、今ではそれは一つの流れにさえなっている。

国産材を使った家具作りをする代表的なメーカーであるワイス・ワイス。その「KURIKOMA」は、家具用材として用いられることがほとんどなかった小径木や間伐材を含む杉材を使った椅子

国産材を使った家具作りをする代表的なメーカーであるワイス・ワイス。その「KURIKOMA」は、家具用材として用いられることがほとんどなかった小径木や間伐材を含む杉材を使った椅子

様々な分野で日本人自身による日本の価値を見直す機運が高まっている今、これら挑戦している家具が、これからのライフスタイルに適合し、さらにはリードしていく存在になることを期待したいところだ。今回のIFFT/インテリア ライフスタイル リビング出展者から、注目の家具メーカー、ブランドを紹介しよう。

次ページ:注目の家具メーカー・ブランド10社を紹介

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