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© Satoru Fueki

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フェスティバルでありプラットフォーム、日仏のメディアアートが交流する「デジタル・ショック」

2016/03/17 18:05

メディアアートからビデオゲーム産業、アニメーション映画やエレクトロニック・ミュージック、バイオテクノロジーにいたるまで、新しいメディアの影響を受けた幅広い分野での日本とフランス間での創造性の広がりを紹介するフェスティバル、「デジタル・ショック」が5回目の開催を迎えた。

「デジタル・ショック」は、2011年にフランスと日本の文化交流プログラムとして、アンスティチュ・フランセ主催でスタートした。2012年からは毎年テーマを設定、日仏イノベーション・イヤーを祝う2016年のテーマは「フュチュラマ(未来展望)」新しいテクノロジーが生み出す未来について、人間はどんな想像ができるのか?といったテーマを中心に扱ったプログラムが用意された。

ダヴィッド・バンケ「セミコピア」 イギリスの経済学者トーマス・マルサス、フランスの思想家ニコラ・ド・コンドルセ、イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの、それぞれの理論に基づいた食糧供給の未来像を3つのジオラマで展示

ダヴィッド・バンケ「セミコピア」
イギリスの経済学者トーマス・マルサス、フランスの思想家ニコラ・ド・コンドルセ、イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの、それぞれの理論に基づいた食糧供給の未来像を3つのジオラマで展示

主催のアンスティチュ・フランセは、東京、横浜、大阪、京都、福岡の5都市を拠点に、フランス政府公機関としてフランス語講座を開講し、フランス発の文化、思想、学問を発信してきた。映画、ライブ、舞台芸術、展覧会、講演会など、さまざまな文化プログラムを実施しているので、ぜひ一度足を運んで欲しい。

「デジタル・ショック」は、そうした日本全国のフランス文化機関のネットワークを介して規模を拡大。今回は飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京をメイン会場に、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)、SuperDeluxe、Atsuko Barouh arts drinks talk、座・高円寺、など都内各所でさまざまなプログラムを展開している。

メイン会場となる、アンスティチュ・フランセ東京

メイン会場となる、アンスティチュ・フランセ東京

シネマ・ライブ「リック・ザ・キューブ 時の冒険」 アニメーション映像に、アコースティックやエレクトロミュージック、さまざまサウンドや特殊効果が加わったライブパフォーマンス

シネマ・ライブ「リック・ザ・キューブ 時の冒険」
アニメーション映像に、アコースティックやエレクトロミュージック、さまざまサウンドや特殊効果が加わったライブパフォーマンス

Rick le Cube et les Mystères du Temps from Jesse Lucas on Vimeo.

昨年からは、最先端のテクノロジーカルチャーを都市に実装する実験的なショーケース「MEDIA AMBITION TOKYO」とのコラボレーションを開始。六本木ヒルズ 東京シティビューの「MAT LAB」に展示される、1024 architectureやアレックス・オジエの作品は「デジタル・ショック」と「MEDIA AMBITION TOKYO」の共同主催という形だ。

【関連記事】“現象を想像する”都市メディア、テクノロジーアートの祭典「MEDIA AMBITION TOKYO」

1024 architecture「WALKING Cube」 立方体がまるで動物のように姿を変え、痙攣して捩れたり、膨らんだり収縮したり、折れたり絡まったり、荒々しい動きで様々な形に変化するインスタレーション。「MEDIA AMBITION TOKYO」との共同プログラム

1024 architecture「WALKING Cube」
立方体がまるで動物のように姿を変え、痙攣して捩れたり、膨らんだり収縮したり、折れたり絡まったり、荒々しい動きで様々な形に変化するインスタレーション。「MEDIA AMBITION TOKYO」との共同プログラム

毎年9月にフランス・ナント市で開催される、メディアアートフェスティバル「スコピトーン・フェスティバル」、文化庁メディア芸術際、都市とアートとメディアの可能性を広げるワンデイ・イベント「AMIT」、などとも積極的に交流。「デジタル・ショック」は日仏の文化やアーティストをリンクさせる役割を果している。

毎年9月にフランス・ナント市で開催される、メディアアートフェスティバル「スコピトーン・フェスティバル」

毎年9月にフランス・ナント市で開催される、メディアアートフェスティバル「スコピトーン・フェスティバル」

また、「デジタル・ショック」と「スコピトーン・フェスティバル」は、新人アーティストによるデジタルアート作品を表彰する「デジタル・ショック賞」を昨年から始動。受賞者には、フランス・ナント市に最長2週間滞在し、「スコピトーン・フェスティバル」で作品を発表する機会が与えられる。滞在中にはキャリア発展のため多くの専門家との交流の機会が設けられるとのこと。

日本のメディアアートの主要機関とのパートナーシップに基づいて開催される「デジタル・ショック」は、幅広い観客層に開かれたフェスティバルであると同時に、フランスのアーティストによる革新的なプロジェクトを推進し、新しいテクノロジーの分野で日仏共同プロジェクトを紹介するプラットフォームとしての側面も持っているのだ。

落合陽一「アリスの時間 / looking glass “time”」 時計とその前にあるレンズがセットとなり、円環状に整然と設置。次々と時計が発光することで、異なる時間がアニメーションとして連なり、実在しない奇妙な時間が向いの壁面に映し出される。都市とアートとメディアの可能性を広げるワンデイ・イベント「AMIT」とのコラボレーション作品

落合陽一「アリスの時間 / looking glass “time”」
時計とその前にあるレンズがセットとなり、円環状に整然と設置。次々と時計が発光することで、異なる時間がアニメーションとして連なり、実在しない奇妙な時間が向いの壁面に映し出される。都市とアートとメディアの可能性を広げるワンデイ・イベント「AMIT」とのコラボレーション作品

こうした地道ともいえる文化的交流が、少しずつカタチになるのを見ることができるのはとても刺激的だ。コラボレーションが増えていくことで、新しいテクノロジーに接する機会が増えるだけでなく、人と人が出会うことで新しい可能性が生まれるのだと感じさせられる。

瀬尾陽(JDN編集部)

第5回「デジタル・ショック」‐フュチュラマ(未来展望)‐
会期:2016年2月19日(金)~3月21日(月・祝)
会場:アンスティチュ・フランセ東京、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)、SuperDeluxe、Atsuko Barouh arts drinks talk、座・高円寺、ほか
主催:アンスティチュ・フランセ日本
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/digital-choc-2016/

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