レポート イベント、アートフェス、見本市、新店舗など、編集部目線でレポート
HOW STUDIO 2014
デザイナーのリアルを垣間見ることができるスタジオツアー
2014/12/24
JDN編集部
デザイナーが自身のスタジオやギャラリーで、普段は表に出すことのない製作過程などを展示する試みがオープンスタジオツアー「how studio」。2回目である今年の参加デザイナーは、国内外で活躍する藤森泰司、倉本仁、角田陽太、鈴木啓太の4名。
藤森泰司/TAIJI FUJIMORI ATELIER
自身のアトリエでの展示を考えた際、はじめから家具の模型を中心に考えていたという藤森氏。模型は重要な思考方法であり、重要な伝達装置だという。模型作業用テーブルにスタディ模型、打合せテーブルにプレゼンテーション模型を整然と配置。2つのテーブルの関係性とその周りの空間から、完成までのプロセスを伝えた。
倉本仁/JIN KURAMOTO STUDIO
2013年に開催した個展で展示した作品や、試作を制作する際に使用している作業スペースやモックアップ、最新作 “MATSUSO TのNadia chair”を含む家具の試作モデル、過去プロジェクトのリサーチボードやデザイナーの手書きスケッチなどを公開。本棚上に知らぬ間に増え続けているデザイナーのコレクションなども見ることができた。
角田陽太/YOTA KAKUDA DESIGN
会場はスタジオ近くの昭和感覚の古ビルのギャラリー。“Off The Wall”をテーマに「壁」にまつわるプロダクトとキャプションを絵のように一列に展示。ガラス玉への重力のみで機能するペーパーホルダーのプロトタイプや、開発中の時計のプロトタイプ13種類をミニマルに紹介。床に卓球台、天井にミラーボールがある空間で、かえって壁が引き立った展示となった。
鈴木啓太/PRODUCT DESIGN CENTER
スタジオならではの展示ということでテーブルの上に整然と並べた“作品”ではなく、バックヤードに積んである荷物を展示し、あれこれ隠さずに状況を表現した。これまで手掛けてきた仕事や蒐集物、一点物のプロトタイプ、モックアップを一同に並べ、普段通りのスタジオ風景に近いものになった。