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コンゴ民主共和国「アカデックス小学校」プロジェクト2012

コンゴ民主共和国「アカデックス小学校」プロジェクト2012

コンゴに小学校を建設するプロジェクト5年目のレポート

2012/12/05

レポーター:慶應義塾大学SFC松原弘典研究室

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの松原弘典研究室と長谷部葉子研究室により、2008年に開始したコンゴ民主共和国「アカデックス小学校」プロジェクトでは、コンゴ民主共和国のキンシャサ郊外に小学校の設計・建設・運営を進めている。2009-2011年まで毎年一棟ずつ教室校舎を建設してきたが、プロジェクト5年目となる今年は、コンゴ側で準備する建設資金の余裕がなく工事規模を縮小する必要があったため、校門の設計・建設を行った。教員、学生らによるメンバー20数名が渡航し施工を行ったプロジェクトの様子をレポートする。

手作りのブロックで建てたアーチの校門

過去3棟の校舎建設ではいずれも、コンゴ側がブロックで壁を作り日本側は木造屋根の設計と施工にのみ集中していたところを改め、今年はブロックそのものの設計からスタートしてアーチの校門を建設することにした。コンゴで入手可能な建築材料の種類は驚くほど少ない。既存の材料を選択するのではなく、独自の建築材料の設計から始めることで、この土地ならではの建築の幅を広げることができるのではないかと考えた。

現地の慣習的なブロックは、川砂と少量のセメントと水でできている。このブロックサイズは40cm×20cm×15cmで、持ち運ぶには大きい。また圧縮強度が低いため今回のアーチ建設には向かないと思われた。そこでサイズと材料の配合を考え直し、アーチのためのブロックを設計した。繰り返しモックアップを製作する中で、きれいな曲線がでるように23cm×11cm×5cm、重さ2.5kgと小さくし、現地で入手容易なセメントを適切な割合になるように増やすことにした。このブロックはアーチ部だけでなく、アーチを支える下部の壁面にも使用することにした。

現地到着後、早速ブロック作りを開始した。砂とセメントと水を適切な粘性になるまでスコップでよく練り、木製の型枠に隙間無く詰めて即時脱型する。その後ビニールシートをかぶせて急速な乾燥を防ぎながら養生させる。施工には日本人学生の他、毎年協力してくれている現地大工と3人のコンゴ人青年が参加し、さらにその親戚や近隣の少年少女達も加わって、8日間でおよそ2000個のブロックができあがった。

こうして作ったブロックを、まずアーチを支える下部の壁面に積んでいく。既に施工済みの鉄筋コンクリートによる柱梁の枠組みの間を、1cm幅の目地モルタルと共にイギリス積み一枚の厚さで埋めていった。それと同時進行して、木材でアーチの支保工の組み立てを行った。この支保工によってアーチの曲線の形状が決定されるため、施工中最も繊細な工程であった。支保工作業が完了する頃にはアーチの外形が徐々に見えてくる。施工チームの一体感も高まり、最後のアーチ部分のブロックを一気に積み終えた。その後1週間の養生期間を経て、アーチを支えていた木材を一本ずつ取り外し、およそ1ヶ月で校門が完成した。でき上がった校門は、周囲の建物と同じようにブロックを積み上げている一方で、現地では見たことのない風合いを醸し出しているように感じられた。

ブロックをつくっている施工風景
ブロックをつくっている施工風景
ブロックをひとつひとつ製作する
ブロックをひとつひとつ製作する
ブロックを積んでいる施工風景
ブロックを積んでいる施工風景
支保工がほぼ組み上がった
支保工がほぼ組み上がった
アーチ部のブロックを積んでいく
アーチ部のブロックを積んでいく
完成した校門
完成した校門

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