開館20周年を迎えた豊田市美術館、1年間の休館を経て10月10日にリニューアルオープン

開館20周年を迎えた豊田市美術館、1年間の休館を経て10月10日にリニューアルオープン

開館20周年を迎えた豊田市美術館が、バリアフリー化を含むリニューアル工事のための1年間の休館を経て、10月10日に新たな美術館として生まれ変わる。

豊田市美術館は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館や、ニューヨーク近代美術館増改築など、美術館建築で名高い谷口吉生氏が設計。高低差のある敷地を活かして、モス・グリーンのスレートと乳白色のガラスによる矩形の建物が効果的に配された建築は高い評価を受けてきた。今回の改修では、建築の意匠はほぼそのままに、エレベーターやスロープを新設、ワークショップ・ルームはこれまでのほぼ2倍の大きさになってより使いやすくなった。この記念すべき年に、同館の3大特徴である、コレクション、建築、教育普及を中心とした展覧会やイベントが行われる。

今年度前期(2015年10月10日–12月6日)は、所蔵作家であるフランスの現代作家「ソフィ・カル 最後のとき/最初のとき」を、後期(2015年12月19日-2016年4月3日)には、1年間のワークショップでできた花や植物が庭のように組みあがる「山口啓介|カナリア」が開催される。

また、開館20周年を迎えた「いま」を基点に、これまでの、そしてこれからの美術館を考える、時をテーマにした2つのコレクション展も行われる。第1弾は、美術館のコレクションとこの地の時間を写真資料も介して交差させる「わたしたちのすがた、いのちのゆくえ―この街の100年と、美術館の20年」。そして第2弾は、河原温の1か月分の日付絵画とコレクションを隣り合わせ、時間、意識、歴史、芸術といった人間にとって根源的な問いを内省する「時と意識-日付絵画とコレクション」。

あわせてリニューアルオープンを記念して、谷口吉生氏と槇文彦氏による対談を行い、リニューアル後の建築を紹介するほか、音楽やダンス、ワークショップなどのイベントも予定されている。

http://www.museum.toyota.aichi.jp/