第207回 南雲勝志 (デザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

先日、南雲さんに相談があって幡ヶ谷の事務所を訪ねた。最後に会った時から20年くらいの年月が経過していた。木材をよく知る南雲さんは、多くの再開発事業のストリートファニチャーを手がけられている。今回、改めてこれまでの仕事を拝見したが、その柔らかなデザインに清涼感と心地よさを感じた。多くの人が行き交うパブリックスペースの規範となるようなデザインだと言えよう。特に東京駅と皇居とを結ぶ行幸通りの照明デザインも落ち着きある風合いで、要所にモダンデザインを思考する、私の知る南雲デザインを感じた。人間的にもフランクで懐が深いデザイナーだ。どうしてもっと早く紹介しなかったのか、後は依頼調整中のプロジェクトで、新たな局面を見せていただきたい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

南雲勝志(デザイナー)

南雲勝志(デザイナー)

1956年新潟県六日町生まれ。永原浄デザイン研究所を経て、1987年ナグモデザイン事務所設立、代表。公共空間における施設デザインから家具、プロダクトデザインなどさまざまな領域を通して社会やまちづくりにおけるデザインの可能性を探る。2004年には「日本全国スギダラケ倶楽部」を設立し、木の文化を広げる活動を全国で展開。2012 グッドデザイン賞 復興デザイン賞(ヤタイ広場/大槌)、2014 土木学会デザイン賞 最優秀賞(日向市駅及び駅前周辺地区デザイン)、2014 グッドデザイン賞金賞(秋田駅西口バスターミナル)など、受賞歴多数。

http://www.nagumo-design.com/