第197回 平瀬謙太朗 (デザイナー / エンジニア / 映像ディレクター)

[桐山登士樹の推薦文]

今月はデザイナー、エンジニア、映像ディレクターという3つの顔を持つ平瀬謙太朗さんです。平瀬さんとは、半年ほど前までプロジェクトをご一緒させていただき、アルゴリズムを教わりました。人間の身体系からくる特性と記憶領域を解析し、表現(デザイン)に置き換える作業を実にスマートにやってのける人でした。仮説を立てること、実験すること、そして導きだすプロセスを省略することなくテンポよく処理していく人です。デジタル時代に入り、物質的なカタチと享受する側のアナログ感を俯瞰で捉える考察力、さらには表現に置き換える創造力、この領域に挑む姿に期待が増します。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

平瀬謙太朗(デザイナー / エンジニア / 映像ディレクター)

平瀬謙太朗(デザイナー / エンジニア / 映像ディレクター)

1986年、サンフランシスコ生まれ。慶応義塾大学SFC脇田玲研究室にてデザインとコンピューティングを学ぶ。2010年、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻に進学。佐藤雅彦研究室にてメディアデザインを専攻。2013年、フリーランスを経て、メディア表現の未来を考える小さなデザインチーム「CANOPUS カノープス」を設立。デザイナー・エンジニア・映像ディレクター・コンポーザーなど多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、新しくも廃れることのない普遍的な表現を模索している。2012年、「MEDIA PRACTICE」が文化庁メディア芸術祭、審査員推薦作品選定。2014年、カンヌ国際映画祭にて「八芳園」が短編コンペティション部門ノミネート。