ROOM101　2006

分譲マンションのLDK部分のリノベーションです。改築前は、リビングとキッチンがカウンターと吊り棚によって分断され、3.4mの天井高を活かしきれず、暗いキッチンでした。これらの問題に対し、収納を立体的に浮かせたデザインで、収納量の増加と空間の広がり、使い勝手の良さを実現しました。収納を壁から飛び出させるために構造計算もし、鉄骨で支えています。とても小さなデザインの中に、LDKに対する提案、立体的な空間活用の提案、スケールの問題、内装における構造設計の意味を込められたと思っています。

ひとへやの森　2008

日本のワンルーム空間はとても狭く、その面積的制約から機能の配置は限られ、ほとんど同じ間取りが延々と繰り返しています。
このインスタレーションでは、そのような状況を逆手に取り、むしろ狭さを活かしたこれまでにない住まい方を提案しました。同じ形をした8本の木を、粗密をつくりながら部屋の中に点在させ、沢山の小さな居場所を作り出します。枝は、生活用品を吊るすことができ、それぞれの居場所を、個性的に育ててゆきます。実際の寸法より、遥かに広く見え、住人が思い思いに使いこなすことが出来きる空間が実現しました。

イエタグ　2010

日本科学未来館で春に行われた「地球マテリアル会議」にて展示を行った、「木造建築廃材から作られた紙」を利用して作った付箋です。
木造建築を壊して生まれた廃材を、捨てるわけでもなく、燃やしてエネルギーにしてしまうのでもなく、紙として再生し、それをさらに商品に変える。私たちは、その全てのフローを提案しています。
この付箋は、紙が家だった時の記憶を残し、家の形をしています。複数を並べると、まるで街のようになります。もともと町並みだったものが、形を変えて、机の上で小さな町並みを作り上げます。

りくカフェ　陸前高田まちのリビングプロジェクト　2011

3.11の津波で甚大な被害を受けた陸前高田市において、みなが気軽に立ち寄れる場＝まちのリビングをつくり、地域コミュニティの再生・創造を目指すプロジェクトです。
2011年末に企業の支援を受けながら仮設のコミュニティカフェを建設し、地元の女性達と運営を続けています。現在では、地域の憩いの場、生協の移動販売車が立ち寄る等地域の生活の拠点、県外からの来訪者との交流の拠点として成長しています。仮設建築の使用期限等の制約から、建て替え計画を進めており、2014年4月に本設のカフェがオープンする予定です。

• http://rikucafe.jp

世田谷フラット　2011

壁式構造の共同住宅の内装プロジェクトです。
壁をほとんど変更出来ないという難点があったため、私たちは、壁以外の要素を入念に調整することで、もともとある壁を活かしながら、広がりのある空間となるよう考えました。
仕上げは、普通型枠打ち放し・モルタル金ごて・パテ扱きクリア塗装・ラーチ合板の4種を使っています。普通型枠打ち放しは古い躯体、ラーチ合板は新設ですが、モルタルとパテ扱きは、壁紙を剥いで現れたモルタル＋パテ扱きに、上塗りをしたものです。古い要素でありながら新しい、不思議な内装になっています。

• ※苅部寛子建築設計事務所と共同設計

FabCafe　2012年竣工

もの作りを皆で楽しむデジタル工房カフェです。
カウンターと座席を、レーザーカッターを中心に扇形に配置し、fab(工房)とカフェの二つの機能を一体感のある構成のなかにまとめました。また、既存壁を剥がして生まれた、壁の塗り分けを利用し、境目にフレキシブルボードの天井を入れ、コンクリートと木の空間の上に、白い空のような余白の空間をつくりました。
レーザーカッターの前で他人同士が盛り上がったり、全体をワークショップやシンポジウムとして利用したり、時間や企画によってダイナミックに雰囲気が変化します。

SCAPE®　2012

レジデンスを改修したコワーキングSOHOです。エントランスと個室しかない単純なビルディングタイプを、造作家具のみで複雑なプログラムの施設へと読み替えました。
利用自由度が最も高いパブリックラウンジから、フリーアドレス・ブース貸し・予約制会議室・一室貸しSOHOまでを、外に広がる風景や部屋の広さを読み込んで配置し、適した造作家具をデザインしました。

HOUSE VISION TOKYO EXHIBITION2013 極上の間　2013

日本デザインセンター原研哉さんがプロデュースする、家の未来を考える展覧会「HOUSE VISION」での展示です。
共有するプライベート空間、あるいはひとりのためのパブリック空間とも言えるトイレの魅力を最大限に引き出す試みです。生活にある種の余白を与えるようなスペースであるトイレに、本来外部にあるべき緑を部屋の内部に引き込ことで、気分転換に外を散歩するかのような気持ちよさを実現しています。
住人の誰もが、他の部屋での日常から、ひととき離れることのできる空間です。

LT城西　2013

業界的にも珍しい、新築のシェアハウスの計画です。
今回の設計は、新築であることを積極的に捉え、建築全体の構成を考え直すことによってシェアハウスとしての空間を作りました。共用部と個室の配置を同時に検討し、個室の立体的なレイアウトによって、残余としての共用部に異なる居心地の居場所を複数作り上げました。
これだけの豊かな共用部と、8畳の個室を有していながら、この建築は、延べ床面積を居住人数で按分すると23平米ほどしかありません。まさに、新しいすまいのスタンダードです。

• 専用ページ：http://lt-josai.com/
• 入居案内：http://d-flat-nagoya.com/