赤い靴

2009 / 映像インスタレーション、サイレント

「黄金町バザール2009」、京浜急行線高架下での展示。元特殊飲食街だった横浜市黄金町の人通りの少ない道路に赤い靴が降ってくる実写映像を投影した。

日没後、いたずらのように不規則に降ってくる真っ赤なスニーカーは子供達の人気を集め、人の気配のなかった道路を賑やかな場所へと一転させた。また、雨の日には濡れたアスファルトに光が反射して、ダイヤモンドのように靴が輝くという、屋外作品ならではの嬉しいハプニングもあった。

展覧会終了後も市民の要望で常設作品となった今作品は、アートによるまちづくりを標榜する黄金町のトレードマークとして、現在も夜の路面を照らしだしている。

志村信裕(アーティスト)

志村信裕(アーティスト)

1982年東京都生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院映像コース修了。「光をあてる」をテーマに、これまで一貫して映像プロジェクションによるインスタレーションを発表。身近なものを題材にした実写映像を日常風景に重ねあわせることで、見慣れた風景に新たな視点をつくりだす。近年では代表作《赤い靴》をきっかけに国内外のパブリックスペースを中心とした屋外プロジェクトにも多数参加し、その表現は場所に限定することなく自由に展開される。2007年NHKデジスタ・アウォード2007インタラクティブ/インスタレーション部門グランプリ、2011年地域が選ぶ黄金町バザール賞を受賞。
http://nshimu.blogspot.com/

2012/2/8 0:00