ワームホール・トラベル-ゆらぐ時空の旅-

宮永愛子《手紙(部分)》2013Naphthalene, resin, sealing wax, mixed media, photo by KIOKU Keizo ©MIYANAGA Aiko, courtesy of Mizuma Art Gallery 宮永愛子《手紙(部分)》2013
Naphthalene, resin, sealing wax, mixed media, photo by KIOKU Keizo
©MIYANAGA Aiko, courtesy of Mizuma Art Gallery

文化庁は、将来の日本の芸術界を支える人材の育成のため、若手芸術家が海外の大学や関係機関で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(旧・芸術家在外研修)」を1967年度から実施しており、まもなく半世紀を迎えようとしている。また、そうした研修の成果発表の機会として1998年から東京で「DOMANI・明日展」を開始し、今年で19回を数える。

この国立新美術館での大規模なグループ展に加えて、より小規模でテーマ的な展示の機会として、一昨年度より「DOMANI・明日展 PLUS」を実験的に開始した。今回、東京以外で初めて、京都芸術センターでの開催の運びとなった。

戦前に設立された小学校を改築して活動を続ける、京都の街中のアートセンターでの開催にあたり、「旅」というテーマを設定した。生まれた場所、学び育つ場所、永遠の眠りにつく場所…、人は幾つもの場所を旅するように生きるとともに、わたしたちを取りまく事物や現象、情報、諸制度は刻一刻と変転し、積みかさなる壮大な歴史的時間のはざまを旅しているといえる。

本展では、この制度による海外研修をはじめ、さまざまな国や地域を移り住みながら制作活動を行ってきた4名の作家たちの作品を展示する。移りゆく気配の痕跡によって時の存在を露わにする宮永愛子、光や音、動きを使って身の回りにひそむ一瞬の美や不可思議をとらえる小金沢健人、日用品の人工的な色彩や形態を再構成して生命体や宇宙の循環を想起させる鬼頭健吾、個人的な体験と歴史的な事実を積み重ねて物語を紡ぎながら隔たる時間と空間をつなぐ長坂有希。

既存の表現メディアの境界を超えて、多様な素材を操るかれらは、流れさる時間や変わりゆく事象を、鋭敏なまなざしとユニークな思想でとらえて鮮烈に視覚化する。その作品はまるで「ワームホール」のように、時空のある一点から別の一点へとつながる抜け道をひらき、わたしたちを時空のゆらぎへと誘う。

【関連イベント】
●アーティスト・トーク
日時:9月17日(土) 15:00~16:30
会場:フリースペース
料金:無料
定員:先着100名
※事前申込不要

●パフォーマンス
※詳細は公式ホームページをご覧ください

●ワークショップ
※詳細は公式ホームページをご覧ください

開催期間 2016/09/17(土)~2016/10/16(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~20:00(10/1は「ニュイ・ブランシュKYOTO2016」のため22:00まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料
参加アーティスト 宮永愛子、小金沢健人、鬼頭健吾、長坂有希
会場
  • 京都芸術センター
  • ギャラリー北・南
  • 京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
会場電話番号 075-213-1000
会場URL http://www.kac.or.jp/
詳細URL http://www.kac.or.jp/events/19023/