デザインウィーク半ば、10月最終週の前半から、オフィス見学とスイスのデザイン力を感じた三つのイベントを紹介します。
・how studio 2015/WONDERWALL INC.
・「DESIGN WORKSHOP JAPAN-SWITZERLAND」展覧会
・Vitra × Blue Bottle Coffee 展示イベント
・HUBLOT DESIGN PRIZE 授賞式
how studio 2015
会期:11月3日まで
会場:WONDERWALL INC.
how studioは、注目の建築家・デザイナー5組がそれぞれのスタジオや特別会場でオフィス公開や自身による展示を行うイベント。タイミングが会えば、ご本人ともお話ができます。なかなか貴重な機会だと思いませんか。
まずは、ユニクロをはじめ様々な商業施設のデザインを手がける片山正通さん主催のWONDERWALL INC.にお邪魔しました。
カッコ良いシーンが多数で、アートのコレクションと共に見どころ満載でした。
「DESIGN WORKSHOP JAPAN-SWITZERLAND」展覧会
会期:11月3日まで
会場:JIDA Design Museum in AXIS(JIDAギャラリー)
スイスのデザイナー5名と日本のデザイナー6名がお互いの国を訪ね、ものづくりに取り組んだ成果であるプロトタイプを初披露しました。協力した企業は、スイスは大手システム家具メーカーのWOGG社、日本は石巻工房です。主催はスイスのエンジニア・建築家協会と日本デザイン振興会。日本から参加したデザイナーは、芦沢啓治さん、二俣公一さん、林祐輔さん、安西葉子さん、鈴野浩一さん、藤城成貴さんです。
決して広くないJIDAギャラリーをうまく使って、11組のプロトタイプを展示していました。日本との国交150周年だった昨年に続き、デザインを含めた関連イベントに積極的なスイスです。
Vitra × Blue Bottle Coffee 展示イベント
会期:11月23日まで
会場:ブルーボトルコーヒー 清澄白河ロースタリー&カフェ
住宅、オフィス、公共空間をデザインの力で改善することを理念とするスイスのVitra。2015年4月ミラノサローネのVitraブースは、スキーマ建築計画の長坂常さんが手がけ、パレットを大胆に使った倉庫のような空間で話題になりました。
ここ東京では、同じく長坂さんが建築デザイン手がけたブルーボトルコーヒーの店舗でVitraのイベントが開催されました。ブルーボトルとカラーコーディネートしたVitraの定番家具がパレットに載り空間を構成。店内の椅子もVitraの新作になっていました。
平日のお昼を外した時間でしたが、なかなかに混んでいたのでコーヒーを飲むことは断念し、現美(東京都現代美術館)に向かいました。
HUBLOT DESIGN PRIZE 授賞式
会期:10月27日
会場:東京都現代美術館
スイスの超高級腕時計ブランドHUBLOTが、デザイン賞を開催していました。とは言っても公募ではなく、世界的な目利き5名が候補を選び審査した結果です。その授賞式が現美で開かれました。この一日のためだけの展示で招待客も限られていたので、ご存知ない方も多いかもしれません。
受賞したのは二組。日本の家具メーカーであるカリモクとのコラボレーションでも知られるスイスのデザインユニットBIG-GAMEと、独自のミニマルなアプローチによる照明が評価されたノルウェーのダニエル・リーバッケンさん。残念ながら日本人の受賞者はいませんでした。展示構成は建築家の芦沢啓治さんが手がけました。
審査員の一人には、サローネサテリテの創立者兼キュレーターのマーバ・グリフィン・ウィルシャーさんの名前がありました。日本のデザイナーの皆さんにも、お世話になった方が多いでしょう。
BIG-GAMEは2005年、2006年にサローネサテリテに出展、ダニエル・リーバッケンさんは2009年に、芦沢啓治さんは2008年、2010年に出展しています。ミラノで活躍の糸口を掴んだ彼らが、スイスの高級腕時計ブランドの賞を、東京で受賞し、展示を担当する。諸外国と比較するとデザインの大きな拠点やイベントを持たない東京ですが、世界に情報を発信する拠点としては、認められているのだな再認識しました。