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| 「最近のアミューズメントとデザイン傾向」 | |||
| 清野 由美 ........................... | |||
| ── 最近「大型複合施設」のオープンが相次いでおり、なかでもアミューズメント性は重要なキーワードとなっている。今回のデコラ通信では、フリーライターとして活躍されている清野由美氏に「最近のアミューズメントとデザイン傾向」についてご寄稿いただきました。 | ||
東京・お台場の「ヴィーナスフォート」や、北海道・小樽の「マイカル小樽」など、昨年は“大型”“複合”に加えて“アミューズメント性”が一段と極まった商業施設のオープンが話題を呼んだ。ヴィーナスフォートやマイカル小樽は、そもそも立地が非日常性の高いウォーターフロントなのだが、今年3月には、横浜の港北ニュータウンに「モザイクモール港北・都筑阪急」が登場。同店では、新興住宅街という日常的な立地でも、建物に大観覧車を付けて集客の目玉としている。インターネットの普及で、日本にいながら世界の物品が買える仮想商店街の人気が高まっている昨今。さらにバブル崩壊以降、百貨店、スーパーマーケットなどの小売業は、長く続く消費不況に陥っている。が、その状況に対抗するように、バーチャルでない“実際の”商業施設は、アミューズメント・デザイン化が加速度的に深まっている。 現在につながる商業施設のアミューズメント化の源流は、5年ほど前に遡る。当時はバブルの反動のように、建物も商品も実質本位に徹したパワーセンターが流行していたが、勢いは長く続かなかった。安くて大量というキーワードは、すでに商品情報を豊富に持ち、目の肥えた日本人には、一過性の流行に過ぎなかったのだ。その中で、体力のある大手が取り組んだのが「衣食住」に「遊休知美」を加えた業態開発。たとえば96年に高島屋グループがリニューアルした大阪・堺市の郊外百貨店SC「パンジョ」では、真っ青な円柱形のシンボルゲートを入り口に設置するという、一見“無駄な”デザインで、新しさのインパクトを演出した。 | ||
そのような建物のデザイン・シンボル化は、やはり人心を集めた。いくら価格が安くとも、人間は見た目に面白い場所に集まるし、楽しい雰囲気でないと、財布のヒモはゆるめないものだ。そんな仕掛けのひとつの到達が、98年、大阪・梅田に開業した、大観覧車付きの専門店「梅田ヘップファイブ」だった。古さが目立っていた建物は、都心に観覧車という意表を付く組み合わせで大評判となり、息を吹き返したのだった。そこからさらに、大規模商業施設の発展形として今、注目を集めているのがヴィーナスフォートやモザイクモール港北、または今春、やはりお台場にオープンした「アクアシティお台場」といえる。これらの建物は、もはや「商業」ではなく「観光」施設だという声もあるが、ハコもの商業施設が消費者に飽きられている現在、建物に工夫を凝らし、人を呼ぶ発想は重要なことだ。 それら話題の施設には、仕掛けとともに、カラフルな色彩の楽しみもある。都心の高集積ビルでは、相変わらず鉄やガラスを無機的に組み合わせたデザインが流行だが、人を呼ぶ商業施設はクール一辺倒では成功しない。ひと目で建物の存在を打ち出し、そこに人を呼び、ここで買い物をしたいと思わせるためには、見た目の明るさは必須。これは時代が変わっても基本となる演出法であり、そのために建築材メーカーには、常に人の五感に訴える色、素材の開発が求められるのだ。 清野由美 (きよのゆみ) フリー編集記者。「日経トレンディ」「日経流通新聞」など、新聞、雑誌の企画、編集、執筆に携わる。時代の感覚、流行を追って、人の流行行動から都市開発まで広く取材する。 | ||
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