GERMAN DESIGN - デザイン大国ドイツの魅力を大特集

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Chapter 7: DESIGNER ドイツ人デザイナーのアプローチ

ドイツ出身のデザイナーといってまず思い浮ぶのは、ブラウン社から数々の名作を残すディター・ラムスや、ブリオンヴェガから発表したラジオやテレビが今なお人気を集めるリチャード・サッパー。照明のデザインではインゴ・マウラー。バウハウスの第三代校長をつとめたミース・ファン・デル・ローエもドイツ人だ。ここでは、彼ら巨匠に続く、次世代を担う若手ドイツ人デザイナーをピックアップして、ドイツブランド作品とともに紹介する。

New Generation

Konstantin Grcic
Konstantin Grcic
コンスタンチン・グルチッチ
1965年ドイツ・ミュンヘン生まれ。ロイヤル・カレッジオブアート(RCA)を卒業後、ジャスパー・モリソンのもとで働く。91年「コンスタンチン・グルチッチ・インダストリアルデザイン(KGID)」を設立。余分なデザインを捨てたシンプルなプロダクトを数多く発表している。
フロス社より発表された「MAY DAY」はコンパッソ・ドーロ賞を受賞。三角形のモジュールを立体的に形成した斬新なデザインの「CHAIR_ONE」もグルチッチの代表作だ。Vitra、MAGIS、ClassiCon、PLANKなどの企業と協同してグローバルにデザイン活動を展開。多くの作品がニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションになっている。
モノの本質を捉え、常にデザインに対する挑戦を続ける彼の作品は、知性やユーモアを兼ね備え、単なるミニマリズムとは一線を画す。現代のドイツを代表するインダストリアルデザイナーのひとり。
http://konstantin-grcic.com
ClassiCon
ClassiCon
アイリーン・グレイのアジャスタブルテーブルなど機能美とエレガンスを備えた作品を発表するドイツブランド、クラシコン社。グルチッチがデザインした「Diana」は、金属板のシンプルな折り目が際立つテーブルシリーズ。
BASF
BASF
ドイツの化学メーカーBASF社が開発した新素材「Ultradur High Speed」(※PBT樹脂の一種)を用い、グルチッチがデザインした「MYTO/PLANK社」は、カンチレバー構造の一体成形チェア。
写真提供:hhstyle.com
Stefan Diez
Stefan Diez
シュテファン・ディーツ
1971年ドイツ生まれ。建築学と工業デザインを学ぶ。1996~2002年 リチャード・サッパーとコンスタンチン・グルチッチのアシスタントを務める。2003年、自身の事務所を設立し、プロダクトデザインやエキシビジョンデザインを手がける。Red Dot AwardsやiF product design awardsなど多数受賞しており、国際的にも高い評価を得ている。ドイツで最も将来を嘱望されている若手デザイナーの一人。トーネットから発表した「404 Family」は、今までにない美的価値観を追求した独特なフォルムの一脚。
http://www.stefan-diez.com
THONET
THONET
19世紀の曲木技術の完成により、世界で初めて家具のマスプロダクト化に成功したトーネット社。バウハウスとのコラボレーションでは、現代デザイン史に数多くの功績を残す。/写真はディーツによる成型合板のチェア「404 Family」。
http://www.thonet.at
e15
e15
1995年設立。ドイツを拠点に、上質なプロダクトを生み出す家具メーカー。/写真はディーツが手掛けたチェア「Houdini」とスツール「JEAN」。職人の技術力と最先端のプライウッド加工技術を用いた、薄く柔らかな曲線が印象的。
http://www.e15.com/
Jehs und Laub イエース & ラオプ
Jehs und Laub
イエース & ラオプ
マルクス・イエース(1965年)/ユーガン・ラオプ(1964年)共にドイツ生まれ。1994年、共同でイエース&ラオプデザインを設立。以来、ドイツ国内だけでなくNEMO/Cassina/Ycamiといった世界の照明や家具メーカーなどへ幅広くデザインを提供。/写真はドイツのソファブランドCOR社から発表した「JALIS chair & table」とラウンジチェア「SHRIMP」。
http://www.jehs-laub.com
THONET
写真提供:AIDEC

Great master

Dieter Rams
ディーター・ラムス
1932年ドイツ・ヴィースバーデン生まれ。ヴィースバーデン工芸美術学校卒業後、1955年ブラウン社に入社し、プロダクトデザインを担当する。機能性を前提にしたシンプルなデザインを基本とし、ブラウン社の歴史に残る数々の名作を生み出した。1988年から1998年までハンブルグ芸術大学のインダストリアルデザイン科教授を務める。ジャーマン・デザイン・カウンシル会長、ベルリン芸術アカデミー会員など、ドイツのデザイン関連において様々な要職を歴任する。ブラウンを退社後も、ベルリンの首相官邸にラウンジチェアが採用されるなど、多数のプロジェクトに参加している。
Dieter Rams
Richard Sapper
リチャード・サッパー
1932年ドイツ・ミュンヘン生まれ。ミュンヘン大学で機械工学を学んだ後、1956年、ダイムラー・ベンツ社に入社。メルセデス・ベンツの車体スタイリストとしてデザイン活動を始める。その後、ジオ・ポンティ建築事務所を経て、マルコ・ザヌーソと共に活動を開始。BRIONVEGAにてラジオやテレビなどをデザインする。シーメンスとイタルテルのため電話機Grillo、アルテミデから発表した照明Tizio、アレッシィの笛吹きケトルなどもサッパーの手によるもの。1981年からはIBMのデザイン分野の顧問を務め、中でもThinkPadはラップトップの傑作。
Richard Sapper