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2020年の東京オリンピック・パランリンピックに向けて東京が大きく変わろうとしている。参加する選手やスタッフはもちろん、様々な国の人々を迎えるにあたって、建築物や施設の改修と共に新たな施設の建設や環状道路・鉄道路線の開通が予定されている。

日本最古の地下鉄として東京の街をつないできた東京メトロ銀座線も、2020年に向けて大きく変わる。開業90年となる2017年度までに浅草～京橋間（日本橋を除く）、東京オリンピック・パラリンピックまでに国際的な知名度の高い銀座をはじめとした全駅のリニューアルが実現する予定だ（新橋・虎ノ門・渋谷を除く）。

東京メトロ銀座線では【伝統×先端の融合】を路線コンセプトに、下町エリア（浅草〜神田）、商業エリア（三越前〜京橋）、銀座エリア（銀座）、ビジネスエリア（新橋〜赤坂見附）、トレンドエリア（青山一丁目〜渋谷）の5つのエリアにわけてリニューアルを進めている。このリニューアルにあたり、銀座線の魅力の向上に寄与するアイデアを広く募るためコンペを開催してきた。すでに、第1弾の下町エリアと、第2弾の商業エリアは、それぞれ多数の応募のなかから受賞作品を発表。そして、いよいよ銀座線の中核である銀座駅を対象としたコンペが開催される。今回は、地域との連携を重視し地下にいながら地上を感じることができる「銀座のまちの地下１階」としての空間のあり方を問うコンペと位置づけられている。

「銀座のまちの地下1階」としての空間のあり方を問う、というのは何を意味するのか？銀座駅とはどのような駅なのか？その歴史を知る必要がありそうだ。東洋最古の地下鉄である銀座線の銀座駅は1934年に開業した。駅からの出入口は都市の美観や周辺店舗の見通しへの配慮、雨季のある気候や日本人の服装までも考慮されてつくられたという。当時から、銀座4丁目の交差点には8方向もの出入口が設置されていて、これほど多数の出入口は他の地下鉄駅にないものだった。銀座に訪れた人たちが雨に濡れず、かつ広い道路を横断しないで地下鉄から直接デパートに出入りできるよう連絡口も設置されていた。いわゆる「おもてなし」の建設思想によって銀座駅がつくられていたといえる。その後、1964年10月に開催された東京オリンピックに向けて、急ピッチにて建設がすすめられた日比谷線の銀座駅開業で、当時の丸ノ内線西銀座駅を含む3駅が地下でつながり、一大ターミナルとしての銀座駅が誕生した。

これまでの銀座駅の歴史をふまえたうえで、同コンペが求める具体的な提案課題は以下のとおり。

1. 銀座駅における望ましい経験・駅のあり方
2. 駅の個性とともに、機能性を備えたプラットホームのデザイン提案
3. 駅の顔である改札口周りのデザイン提案
4. 待ち合わせなどの場所となるコンコースのデザイン提案
5. 地上と地下をつなぐ上屋のデザイン提案
6. 駅機能（人・空間・情報（広告含む））のアイデアの提案

単なるハードウェアとして駅を考える以上の提案が求められる課題内容だ。駅のデザインだけでなく、銀座という街のあり方、利用するユーザーへの新しい経験の提案、周辺地域との調和など、世界中から多くの人々が訪れる銀座のまちの魅力が伝えられるようなアイデアが求められている。同コンペは、個人はもちろん複数名のグループでの応募することも可能。また、25歳以下を対象とした奨励賞も用意されていて、これからの東京を担う学生や若い方にも期待がかけられている。東京の「顔」のひとつである銀座駅のリニューアルに携わる機会はなかなかないのでぜひ応募してみてほしい。登録受付期間は平成27年3月6日(金)17時まで、提出期限は平成27年3月17(火)12時必着。

また、同コンペの開催に合わせて、銀座駅・日比谷線コンコース（銀座のオアシス）で、過去に実施した下町エリア、商業エリアの駅デザインコンペの入賞作品を展示中。平成27年2月1日(日)まで。
http://www.tokyometro.jp/news/2015/637.html

東京メトロ 銀座駅デザインコンペ事務局

〒110-0005 東京都台東区上野5-3-4 4F
mail : metro2015@japandesign.ne.jp
（受付時間：平日9時～17時）

http://compe.japandesign.ne.jp/metro2015/