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桑沢デザイン塾
 


桑沢デザイン塾 99年特別講座
ワークショップ「椅子のデザイン」開講を前にして

インテリアデザイナー 坂本 和正



  坂本 氏

■プロフィール

坂本 和正(さかもと かずまさ)

インテリアデザイナー


1938年東京生まれ。1960年桑沢デザイン研究所卒業。1961年坂倉準三氏に師事(坂倉準三建築事務所)、1966年豊口克平氏に師事(豊口デザイン研究所)を経て、1974年方圓館創立。
教会装飾、学校、福祉施設から住宅まであらゆる方面の家具やインテリアデザインで活躍する。また、沖縄の首里城復元プロジェクトチームに参加する等、博物館、美術館も数多く手がける。

●主な受賞作品
1968年;ヤマギワ国際照明器具コンペ入選
1985年;フランス・アンジェ美術館及びフォントヴローFRACの「家具モビリエ展」に招待出品され、作品『Cag』はパリ・アールデコール(ルーブル美術館内)に永久収蔵
1989年;「東京サレジオ学園」の一連の家具、インテリアデザインにより『88年度日本インテリアデザイナー協会賞』・『第14回 吉田五十八賞』受賞


坂本 氏
方圓館にて。
外観はスカイブルーの洋館、内側は和と洋が調和する空間。坂本氏の作品である様々な椅子がならぶ。

  1999年3月から、特別講座として2つのプログラムが予定されている桑沢デザイン塾。舞台美術家・朝倉攝氏が監修する講座「演劇空間」と、インテリアデザイナーの坂本和正氏と内田繁氏が監修するワークショップ「椅子のデザイン」です。特別講座開催を前に「椅子のデザイン」監修の坂本氏を訪ねお話をいただきました。


●初の試みであるワークショップ

「椅子をデザインしたいと思っているプロやアマチュアの人たちを対象に、どうやって椅子が生まれるかを体験してもらう」。ワークショップ形式で世界に一つしかない自分のための椅子をデザインする、今回の特別講座<椅子のデザイン>。
「いろいろな立場にある受講生が自分の好きなものを表現する。自ら体現する。椅子を通してデザインを知る」。「これが今回の狙いです」と坂本氏は言います。

ワークショップは全4回構成。監修は坂本氏とインテリアデザイナーの内田繁氏です。「1日目にオリエンテーションとして、監修の坂本・内田両名がそれぞれの得意な視点から椅子について語ります。そして、エスキースの方法や模型制作などについて具体的な説明をしていきます」。図面作成、模型制作を経て、最終日は参加者それぞれがプレゼンテーションを行い監修の両氏が講評を加えます。「みなさんの主体性やデザインがどのように現れるか、とても楽しみにしています」。

97年度の桑沢デザイン塾では『家具と空間』と題して講座も担当した坂本氏。講座とワークショップの大きな違いとして「受け身ではなく、自分から何かをするという参加者の自発性・能動性」をあげます。「メディアやインテリアショップなどから与えられるイメージを越えた、レディメイドではない‘自分の椅子’」を模索して欲しいとのことです。

 ■(参考) 桑沢デザイン塾 97年度第1期『家具と空間』 講師;坂本和正


●椅子について

今回のワークショップの題材であり、坂本氏自身も長い間デザインに取り組んできた‘椅子’。「一般の生活に浸透したのは戦後。わずか50年ほどのことでしょう。日本の椅子文化は、まだ歴史が浅い」。「あぐらなどの‘座’と‘腰掛け’の文化を日本人は併用している」。

「ここは元々和室でした」。インタビューを行っている部屋を指して言う坂本氏。1/3は畳敷き、残り2/3は畳と床を取り払い一段下がった床に瓦が敷き詰めてある部屋です。畳の奥には床の間があり、瓦の床には坂本氏デザインの椅子とテーブルがおかれています。
一つのテーブルをはさみ、畳に座して応える坂本氏と、椅子に腰掛けるインタビュアー。「これは日本の生活スタイルの21世紀への過渡期を象徴しているかもしれませんね」。

生活文化と密接な関係を持つ椅子。「日本人は、まだ椅子にぎこちなく座っているのかも知れない」。「そういう意味では、椅子は日本人自身によって変わりゆく存在なのでしょう」
「このような椅子に対してどうアプローチするか。参加者一人一人のやり方を見てみたい」。


「将来は、違ったデザインジャンルを融合して、社会との係わりを総体的に扱えないかと思っています。そしてリサイクル、リユーズなどへの取り組みが課題か」。「個人的な考え」と前置きして話した桑沢デザイン塾の今後です。

「桑沢デザイン研究所の創生期、デザインは商売になっていなかった」。「今でもすぐにはビジネスにならないもの、日があたらないところに新しい可能性があるかも知れない」。さいごに、これから活躍してゆく世代へ向けてメッセージをいただきました。

 


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