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<JDN> <REPORT> <桑沢デザイン塾>
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1999年 6期 桑沢デザイン塾<インテリアデザインと茶室> 4
インテリアデザイナー

内田繁

現代デザインに生きる日本文化
自作を通して探る


  日本の文化や空間のあり方を確認するとともに、内田氏がどのような思想で空間をデザインしてきたか、日本文化の影響を含めて自作を解説する最終回。


商業空間から居住空間へ

「我々の未来の生活文化の種みたいなものを植え付けて、生活空間を変えよう」と考えたのが、内田氏のデザインの出発点でした。「たとえどのようなレストランでも、茶室のように日本人の精神の延長線上にある」ととらえ、「商業性を超越して人間の精神に関わろう」としたのです。
内田氏とともに故・倉俣史朗氏などの国際的な日本人デザイナーの仕事により、‘哲学的空間にまで高めることができる商業空間’という認識が世界に広まりました。

しかし内田氏は、「これからは、戦略的な強さを失った商業空間より、むしろ人の暮らしに直結する住まいの空間が文化の中心軸になるだろう」と言います。
そして住空間について「近代の住空間は壁できっちり仕切られて息苦しいが、日本古来の仕切りとは普段は開いていて必要があると閉じられるものだ」。西洋の‘物理的な仕切り’で作られたプライバシーと、日本の‘認識的な仕切り’で作られたプライバシーという異なる二つの仕切り方。これをふまえて「皆さんの時代に、日本の住空間、生活空間の本当の姿を浮かび上がらせて欲しい」と語ります。


日本文化の特性を伝える

日本文化は外来文化との共生によって形成されてきました。ところが明治政府の政策の下、日本の歴史上で初めて自ら自分の文化を捨てて西洋化・近代化を推し進めました。
しかし、私たちの‘座る文化’と‘沓脱文化’はなくなりませんでした。「なくなったものを嘆くのではなく、なくならなかったもの(その理由)を考えるのが文化を考える上で重要だ。それが文化の本質につながる」と内田氏は話します。

季節を中心に生活してきた日本人。「たとえば古くから私たちは『春には肝臓が悪くなる』と気を付けていた。つまり自然を内在化してきたわけです」。
「デザイナーは『それは今でも同じなんだ』ということを伝える仕事を引き受けている。デザイナーは引き受けたことを空間で示し、目に見えるようにする。視覚的・感覚的に伝える仕事だ」。それは、心の中をデザインするいわば‘インナーデザイン’なのです。


ミラノ茶室展『方法の記憶』

‘我々の心の奥底に残っている方法を引きずり出す’ことを目指した内田氏の展覧会『方法の記憶』。「デザインやそれぞれの文化の違いを承知しつつ、もう一つ先の世界へ行く目的のヒントになれば」と語ります。
茶室のスライドを見ながら、茶会のコミュニケーションツールであった茶道具についても説明します。「古くは、道具を見せたいがために茶会を開いていたようなものであった。だから今でも始めに道具について尋ねるのです」「道具は面白いものを集めればよい。(特に名物などにこだわらない)その代わり、その時代の本当に良い道具を使えばよいのではないか」。
そして茶室についても、「数寄屋だから素材は何でもかまわない。だが時代感覚の象徴でなければならない」と言います。


文化記憶装置としてのインテリアデザイン

続いて、内田氏が設計した飲食店や物販店などのスライドを見ていきます。その中の一つ、『Yohji Yamamoto』の神戸のブティックを指して「これが日本的だと言われるのは‘水平観’と‘空(ウツ)’があるからだ」と説明します。
「ブティックは‘空’でなければならない。重要なのは服であり、それが置かれて初めて季節の訪れを予感しなければならない」と言います。このような考えでデザインされた、空間の大きさに比べて服がほんの少ししか並んでいないブティック。こうした店がニューヨークなどにオープンすると現地の人々はびっくりしたというエピソード。しかし今はこの感覚が理解され「背景にある精神を勘の良いデザイナーたちは読みとり」活躍しているのです。


自作の解説を終え、シリーズ全体を振り返り「茶室の重い印象を変えようとして、本当のことを軽く話そうと思った」と言う内田氏。さいごに「伝統・歴史・習慣などは途切れるものではない。我々の時代は室町時代とつながっている」と改めて強調し講義を終えました。
CLEAR.GIF 内田繁氏
内田 繁氏
 
 
 
 
 
内田繁氏講演風景
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
内田繁氏講演風景
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
内田氏デザインの茶室「行庵」

内田繁氏の代表作品は、こちらでご覧ください。
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「Designer's Collection Gallery」内田繁Gallery
茶室「行庵」
 
 
 
 
 
 
 
内田繁氏講演風景

 


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