「(講座監修の)山中さんに講師を依頼されて即答したタイトルがこのフューチャーマンボデザイン」。
‘東京パノラママンボボーイズ’‘東京ラテンムードデラックス’の活動でラテンミュージシャンとしても知られるパラダイス氏は、富士重工業(株)でレガシィなど自動車のデザインを手がけ、現在は日本唯一の公認サンタクロースとしても活躍。著作『ザ・マン盆栽』(芸文社刊)の出版、「究極の都市型グリーンアート」と題した‘秘蔵マン盆栽展’の開催など、多彩に活動しています。
自動車メーカーのインハウス時代
ツーリングワゴンという一大ブームを起こしたレガシィ。そのデザインチームにいたパラダイス氏。
当時を振り返り、そのデザインの判断基準のいい加減さに辟易としたこと。インハウスデザイナーとはいえ、プライドのかけらもないクソのような仕事をずいぶんとやらされたこと。途中採用の高価な一外人デザイナーに翻弄される役員の姿など、ツーリングワゴン開発の裏話で盛り上がりました。
社内のチームワークも大切かもしれないが、悪者になってでも、外に対して環境汚染の源となるようなデザインをまき散らすのを防止するというのも、こういう会社では必要なのかもしれない、と言います。
「まだ見ていないものへの評価ということでは、一番難しいのが車か」。開発に5年かかる自動車。「5年先を読むなんて、分かる人はいない。そこに確証をつけるのがプロのデザイナー」。
まわりを見回し少し変更して‘新しいデザイン’とする状況には疑問を持っている、とパラダイス氏。
「ジウジアーロと仕事をして、やはり外に出ないといけないのだな…、組織に染まってしまう危機感を感じた」。レガシィに続いて担当した‘アルシオーネSVX’は、自動車デザインの巨匠であるジョルジオ・ジウジアーロがデザイン。当事者ならではの開発秘話を話します。
マンボデザイン
「シンプルにしてはいけない。使いやすさだけでもいけないし、装飾過剰であってもいけない。いろんなバランスの問題」。‘シンプル’‘飽きがこない’などの常套句でデザインを語ることへ反論するパラダイス氏。「何が良い基準かというと、無駄なデザインがたくさん入っているということ」と新しい新幹線を例に説明します。
工業デザインに取り込んだ遊び感覚のバランスの良さ。無駄なものの造形美、性能を左右しないカラーリングが伝える何か。「少しSF的でユーザをわくわくさせるものがあると思います。『今度、のぞみに乗ってみたいな』というデザインは必要でしょう」。
マンボデザインの具体例として見せたソニー製オールトランジスタテレビ。「昭和30年位にこれを作った。デザイナーの魂。いい仕事している。持っていて捨てたくない何かを感じませんか?」。「これがいわゆる‘マンボなデザイン’。無駄も機能の一部、無駄もデザインの一部、ということをぜひ知ってもらいたい」。
現在も使っていて「受話器を首にはさんで使う感覚が良い」というダイヤル式電話などとともに、演台に並べます。
「この感覚は手で触ってみるまでわからないと思う」と、講座終了後は質疑に答えながら受講生にマンボデザインを伝えました。
[山本氏よりお知らせ]
パラダイス山本氏の最新作『Mambo de Christmas / Tokyo Panorama Lounge』11月3日ソニー・ミュージックエンタテインメントより発売、全編マンボアレンジのクリスマスソングアルバムです。
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