桑沢デザイン塾第3期ファッション講座第6回はファッションデザイナーの田山淳朗氏による「クリエーションの国際化」です。
田山氏は「今までの自分を振り返り、モノを作る・お店を作る・宣伝をする、全ての経験の中で、大切だと感じた数多くのことを、皆さんに少しづつ話していこうと思います。」と講義を始められました。
コンセプトワークの時代
「現在はコンセプトワークの時代です。コンセプトをしっかり創ることが一番重要です。」「自分の好きなモノだけを、クリエーションする時代は終わり、『何を作らなければならないのか』『自分は何が得意で、しっかり作れる物は何なのか』を考えて、コンセプトを構築することが重要です。」「デザイン画は、あれこれ悩みながら描くものではなく、創られたコンセプトを形にする手段であり、単なる作業に過ぎないと言ってもいい。」と、コンセプトワークの大切さについて話しました。
2つのテーマ
田山氏は、コンセプトを作る上で、時代のテーマと地域のテーマがあると具体例をあげて説明しました。 そして、「デザイナーにとって、『テーマ作りがしっかり出来るか出来ないか』という事が一番重要だと思う。」「今からやって欲しいのは、テーマをしっかり勉強すること。じっくりテーマについて調べ、自分の知識として蓄積する。さらに、調べたものをただコピーするのではなく、自分の物として創造することが大切になる。」「テーマの勉強が出来た人は、2つのテーマの組合せをアレンジして、それに合ったデザイン画を、たくさん描いて下さい。それが、その人の知識になる。」「とにかくたくさん勉強し、ノウハウと知識の蓄積をしていくことが大切。」と強調しました。
ロイヤリティーの違い
日本のデザイナーと海外のデザイナーのロイヤリティの違いについて話ます。「ヨーロッパやアメリカのデザイナーは、自分自身と自分が作る服にロイヤリティーがあります。分かりやすく言うと、自分が作った服に、自分の全ての愛情や自分の意志が込められている。だから、自分の作りたい服を、創作できる会社へ移っていきます。しかし、日本のデザイナ−は、自分の会社と自分のスタッフにロイヤリティーがある。だから会社を離れられない。」 「若手デザイナ−にも同様のことが言える。日本の若手は、自分の服を創るために、自分の会社を先に作ろうとする。しかし、ヨーロッパの若手は、自分の会社を作り従業員にお金を払うより、自分の服が作れる会社を探します。」と違いについて語りました。
2シ−ズンと4シーズン
「ヨーロッパは2シ−ズン制で、日本は4シーズン制です。」田山氏は、その違いについて話します。 「世界中のバイヤーは、2シ−ズン制の年に2度のチャンスに向け、勉強し知識を蓄積します。パリ・コレならパリ、ミラノ・コレならミラノに集まり、数多くのショーが行なわれる中で、自分の求めるデザイナーを見つけ、買い付けに真剣になる。また、デザイナーも売れなければ、半年間の収入が無くなり、スタッフにも給料を支払えなくなるため真剣になる。さらに、生地屋も毎シーズンどんな生地が売れるか、一所懸命に勉強をする。デザイナーに生地を選んで買ってもらおうと真剣になります。」 「それに対して日本のデザイナーは、クリエ−ション、プラス『供給』が仕事です。常に毎月の売り上げ金額が決められ、その金額に合わせて、多くの商品を供給しなければならない。」「どちらも真剣だが、海外と日本では、真剣さに違いがある。」と語りました。
「70年代頃から、価値観として『ユニセックス』という言葉が生れた。それは、男が女っぽいもの、女が男っぽいものを購入し、身に付けることを意味した。しかし、これからは男と女の差がなくなり、感じるもの・好きな物・買うものが共通になっていく。いわゆる男と女の感性の差が無くなり、価値を感じていくようになっていく。」「21世紀にはもう少し、ハイレベルなユニセックスの時代が始まるかもしれない。」と話し、田山氏は講義を終えました。
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田山淳朗氏
1975年 文化服装学院卒業(株)ワイズ入社 1978年 渡仏後にyohji Europe s.a.r.l設立 さらに、 (株)エム・ティーカンパニー設立し、レディースブランド「A/T」発表 する。フランス/キャシャレル社チーフデザイナーを経て、1991年 「ATURO TAYAMA」パリ・コレ参加。 デザイナー兼ディレクタとして、(株)ワールド「O・Z・O・C」「INDIVI」など数多くのブランドを手掛けている。
フランスでの楽しいエピソードが紹介され、会場から笑声が起りました。
田山氏の講義は、話題豊富で楽しく興味深い、充実した2時間でした。
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