La Materia
1986年7月、イタリアに渡った私はポストモダンデザインの先鋭的グループ「メンフィス」の中心メンバーMichele De Lucchiのストゥディオで6名の若き建築家・デザイナーと共に働くことになる。
そこではレンダリングは色鉛筆あるいは水彩絵の具。マーカーでなら数分で仕上がるものを何倍もの時間をかけて繰り返し色は重ねられていく。しかし、その効率的とはいえない行為の瞬間、瞬間にこそ創造があるのだと次第に気が付いていった。イメージと物質(La Materia)を変容させ、あらゆるものを創造する錬金術師。
2001年、建築、デザイン、生活空間そのものが電子空間へと劇的に移行した。TecnigrafoはStudioの隅にインテリアの一部として置かれ、色鉛筆は誰にも削られることはない。マエストロと尊敬されたモデリスト達の魔法の手に代わって、コンピューターがイメージを数値に置き換えていく。
生活においてと同様、芸術や建築においても、非物質的になりつつある現在、ついには電脳空間(サイバースペース)の中へ ── リアルからハイパーリアルへ ── と跳躍が行われる。 我々の物質(La Materia)はどこにいったのであろうか。電脳空間において「人間の拡張」が真に起こりうるのであれば、第二のルネッサンスはイタリアでこそ実現されるであろう。

1987年夏、Studio De Lucchiの事務所でスタッフ達と
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