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<JDN top> <イタリア2001> <イタリアとマナブ>
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 上 林 壮 一 郎

 
水をさがしに

イタリアを選んだというよりもドムスアカデミーがイタリアにあったからイタリアに行った、と言ったほうが正しいと思います。当時イタリアにはなんの期待もありませんでしたし、ドムスアカデミーという、デザインを理解してくれそうな場所へ行って“やりたいことをやろう”という気持ちでした。
入学すると、ポエティックなデザインをやりたくてうずうずしているような連中があふれていて、うれしくて笑ってしまいました。日本ではなかなか肯定してもらえず、余り話題にもならなかったのに、そこではそういう発想を真剣に聞いてくれ共有してくれる人達がいたのです。それは学校に限らず卒業して展覧会などをやっても普通の人さえもそういうものに敏感に反応しているのか、たとえお世辞にせよ、褒めることを楽しんでいるかのように大げさに褒めてくれるのです。まさに水を得た魚のような状態でした。

しかし、一方でドムスに限らずデザインに取り組む姿勢が非常に社会的歴史的な問題意識に開かれた、基盤のしっかりしたものだったことに実は衝撃を受けていました。
ただ、ポエティックで面白ければそれでよいのではなく概念の捉え方からモダニズムやベルリンの壁の崩壊、環境問題などをどのように消化し、生活の問題として捉えるかという姿勢が底流に流れていました。これは社会意識、歴史意識の低い日本ではなかったことです。これがデザイン面ではもっとも大きな収穫でした。

しかし、思い出すのはテッド・ワン・カフェのカプチーノだったり、街中で偶然に知り合いに会ってしまうことだったり、アパルタメントのあったヴィア・リパモンティのことだったり、よく行われているチェーナやフェスタだったり、同世代の目的意識の強い人々に囲まれていたことだったり、音楽留学で来ている人たちとの交流だったり、そんな平凡な日常生活です。紙面の関係でイタリアの頭にくる面については残念ながら書けませんがそれだってあきれるほど強く印象に残っているんです。

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当時の上林氏

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現在の上林壮一郎氏

上林壮一郎
1967年東京生まれ。1992年千葉大学大学院修了後、京セラ株式会社入社。1995年渡伊。1996年ドムス・アカデミー卒業 。同年より1999年までスタジオ アンドレア・ブランジ勤務およびフリーとして活動。1999年STUDIO ARCHIMEDES (スタジオ アルキメデス)設立。2000年拠点を東京へ移す。ARCHIMEDESという名称は目指す活動分野である、ARCHITECTURE,MEDIA,DESIGNの合成語として捉えることもできる。

1997年第10回コイズミ国際学生照明デザインコンペで銀賞受賞

1997/1998グループ展「PRESENCE」「PRESENCE2」主催。
その他「HIDDEN FURNITURE(2000ミラノ)」や「暗いあかり(1999東京)」「マイプロダクト2(2000東京)」「POLY-SITE2001(東京)」など展覧会多数出展。


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