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<ジャパンデザインネット> <REPORT> <ユニバーサルデザインの今>
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フライブルク市はドイツ南部のライン川沿い、黒い森(シュヴァルツヴァルト)の西端に位置する人口約20万人の中規模都市です。スイスとフランスの国境に近く、スイスのバーゼルからは列車で40分ほど。同市は原子力発電所建設反対運動の発祥の地であるとともに、LRT(路面電車を軸とした交通システム)を利用したまちづくりを行うなど、国際環境宣言都市の最先端モデルとしても世界的に有名です。環境保全の観点から、市の中心部では自動車の乗り入れを制限しており、これにより中心市街地に往時の賑わいが甦りました。
(本田豊 兵庫県県土整備部交通政策担当)

詳細はユニバーサルデザイン07号都市環境デザインのページをご覧ください。

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clear.gif 月66マルク(約3,000円)で公共交通機関に乗り放題 clear.gif clear.gif clear.gif clear.gif
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 フライブルク市は排気ガス、駐車場不足、騒音対策としてLRTを導入しており、中心市街地の交通手段は自転車、歩行者、そしてLRTが中心です。
 市民はLRTの末端駅にあるパーク・アンド・ライド駐車場に自動車を置いて、LRTに乗り換えて中心市街地に入ります。中心市街地に自動車を駐車できるのは住民だけとなっており、すべて許可制です。LRTの料金は、自動車の諸経費より高いと利用されないため、非常に安く設定されています。
 1980年代初めまでは年間2,000万人台の利用者で推移していましたが、1984年の「環境保護定期券」の導入以降、年間3,000〜4,000万人に増加。さらに1991年の「地域環境定期券」の導入により、年間5,000〜6,000万人台に達しています。1998年におけるLRT利用者は1日約23万人で、市の総人口を超えています。
 地域環境定期券が進化した現在の「レギオカルテ」と呼ばれる「地域定期券」は、ドイツ鉄道を含む鉄道路線、LRT路線、バス路線の約90路線、延長距離2,900kmの公共交通機関を利用できる定期券です。大人料金が月66マルク(約3,000円)と格安なのは、市などから運賃補助が出ているため。記名式と無記名式がありますが、ほとんどの利用者は他人に貸し出し可能な無記名式を購入しています。
 中心市街地の商店主や市内で働く人に対しては、2分の1の料金でLRTを利用できる割引制度も設けられています。ドイツでは通常、会社から交通費が支給されないので、彼らにとって嬉しい制度です。またサッカーの開催時には、LRTによるパーク・アンド・ライドを促すため、入場料にLRTの料金が含まれています。
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路面電車が走る歴史的な街並み
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中心市街地では自転車が重要な交通手段。自動車の乗り入れは規制されている
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路面電車が乗り入れ、バスターミナルを備えた総合交通ターミナル「フライブルク中央駅」
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鉄道のホーム上にある路面電車の停留所とは、エレベーターやエスカレーターで結ばれている
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公園や住宅地の周辺では、環境対策として芝生軌道を採用
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路線延長が図られた路面電車の郊外駅
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「P・R」のサインは、パーク・アンド・ライド駐車場の意味
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1999年に導入された100%低床車両
郊外駅には大規模なパーク・アンド・ライド駐車場
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 LRTの運行頻度は、平日朝ラッシュ時の7時台は2分間隔、昼間は4〜6分間隔が基本です。
 フライブルク市では交通結節点の整備にも注力しています。ドイツ鉄道(DB)のフライブルク中央駅の真上にLRTの電停(路面電車の停留所)が設けられており、電停と駅のホームはエレベーターとエスカレーターで結ばれています。中央駅はバスターミナルや自転車駐輪場も併設されている複合的な交通ターミナルです。
同市では基本的な放射路線をLRTが担い、これを補完する路線の終点からさらに郊外への路線はバスが担うというように、明確な役割分担が行われています。郊外におけるLRTとバスの乗換駅では、平面で同一ホーム構造となっており、階段等を利用した上下運動をすることなくバスとの乗り換えができます。これらとあわせて、郊外のLRT駅には大規模なパーク・アンド・ライド駐車場が整備されていて、自動車利用者の利便性も十分に図られています
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超低床式の車両は騒音対策も万全
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 LRT車両は1993年に超低床バスと併せて導入されたライトレール・ヴィークル(Light Rail Vehicle)と呼ばれる超低床車両が中心です。車両の長さが約33.5mで、最大240人乗り。折り返し運転ができるように、ドイツではめずらしく両側に扉が付いたタイプです。
 1999年、新たにシーメンス社製の100%低床の車両(約42mの7連接)が導入され、これに伴い電停の長さを延長する工事が行われています。
 市内では、狭い道にも歩道を残すだけの形でLRTの軌道が走っており、歩道から直接LRTに乗り降りできます。住宅地や公園周辺では、騒音や振動の緩和、地下水保護に効果がある芝生軌道が採用されており、景観的にも美しくまとまっています。
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トランジットモールの導入で中心市街地に賑わいが戻った
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 中心市街地では、歩行者専用道路が広範囲に設定されています。一部のトランジットモールにはバスも走行していますが、基本的には車両の乗り入れは禁止で、LRTと自転車だけが走行を許されています。まちはトランジットモールの導入により、人口20万人の都市と思えないほどの賑わいを見せています。
 自動車が乗り入れていた25年前、トランジットモールの導入に対して、当時商店主たちは、商売が上手くいかなくなるといって反対していましたが、導入後は賑わいが戻ったために誰も反対しなくなりました。ほとんどの商店主は市内に住んでいますが、中心市街地に住む割合は少なく、実際彼らもLRTに乗って、自分たちの店にやって来ます。
 日本はまだ、本格的なパーク・アンド・ライドや小規模なトランジットモールを社会実験として実施している段階であり、LRTについても、ようやく路面電車を見直す気運が出てきたばかりです。
フライブルク市の取り組みは、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めるうえで、示唆に富む先進事例であるといえます。

トランジットモール
歩行者専用のモールまたはショッピングモールにLRTなどの公共交通を導入した都心商業空間。公共交通が水平に動くエレベータの役割を果たし、モール全体が1つの建物のように機能することから、都心活性化を図る有効な方法として欧米では数多くの成功事例があります。
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