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生きていく上でなくてはならないものだが、ふだんはその存在を感じさせない空気。空気は安全なものだと誰もが信じていたが、最近では、セシウムやストロンチウムなど放射性物質の存在が多くの人を悩ませている。今回は空気のユニバーサルデザインについて紹介したい。
■ 人の健康から発想するまちづくり
つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅にほど近い千葉大学環境健康フィールド科学センター。西洋医学、東洋医学、園芸、看護、教育などの異なる学問分野を融合し、市民の生活の質の向上に役立つ研究を環境と健康をキーワードに設立された。ここは、環境と健康をテーマにして開発された「柏の葉キャンパスシティ」の中核施設でもある。
大学の農場だった場所にできたキャンパスには梅林をはじめ、さまざまな樹木があり、緑豊かな空間が広がる。さらに奥に進むと「ケミレスタウン」がある。ここは化学物質を可能な限り低減した戸建住宅、テーマ棟などで構成されているミニタウンだ。
「ケミレスタウン」の「ケミレス」とは、化学物質(ケミカル)の少ない(レス)という意味。シックハウス症候群に悩む人たちが少しでも症状を緩和できるように、産官学で科学的な実証実験を行ない、その成果を広めていくために設立された。「ケミレスタウン」は、誰もが健康に暮らせる「環境のユニバーサルデザイン」をめざして名づけられた。人の健康からまちづくりを考えることはこれまでにあまりなかった。
身体の不調やアレルギー症状を引き起こすシックハウス症候群は、建材に使われている接着剤、防腐剤として使われるホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)が原因と考えられている。また家具や家電製品から揮発してくる物質、さらには消臭剤や洗剤、香料などに含まれる化学物質も原因物質になるといわれている。
人工的な化学物質だけでなく、松やヒノキなどに含まれる天然の化学物質によって体調を崩す人もいるという。春になると多くの人を悩ませる花粉症も天然の化学物質によるものだ。しかし、これらの症状の原因になる環境要因や発症のメカニズムの多くは未だに解明されていない。
そこで千葉大学環境健康フィールド科学センターでは「ケミレスタウン・プロジェクト」を立ち上げ、2006年からはNPO法人ケミレスタウン推進協会が設立された。企業と共同でセンター敷地内に実験用の住宅やテーマ棟を建設して、実証実験を行っている。もちろん、施設はできるだけ、VOCの少ない建材や内装材が採用され、空気質測定も行われている。
厚生労働省は、2000年に室内空気中のTVOC(総揮発性有機化合物)の暫定目標値を400μg/m3とし、ホルムアルデヒドなど13の物質については室内濃度指針値を設定した。これを受けて2003年にはJIS(日本工業規格)が改正され、内装材や建材のホルムアルデヒドの放散量の性能区分を示すF☆☆☆☆(Fフォースター)マークが義務付けられるようになった。
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【 1 】 緑豊かな千葉大学環境健康フィールド科学センター


【 2 】 ケミレスの建材などが展示されているギャラリー(写真2〜3)


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【 4 】 ケミレスタウンテーマ棟

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