
|

|
前回に引き続き、今回は70年代以降のカタログの歴史を紹介する。時代や流行と共に変化してきたカタログのデザインも現代に近づくにつれて、コンピューターグラフィックの使用やカラーだけの表現が増え、会社のロゴやマークの誕生など、年々発行されるカタログの中に共通項が見られるようになる。またカタログ内にも価格表だけでなく栽培種の写真やナーサリーの風景写真もレイアウトされ、ガーデン雑誌に負けない内容の濃さに発展している。中表紙に今までのカタログデザインや過去の風景、竣工した作品をレイアウトしナーサリーの歴史が垣間見られるのも楽しい。
■ 1970年代
60年後半のヒッピー時代の影響が続き、サイケデリックアートやモダンアートが中心のデザインが続く。植物や自然の風景を重ねる、ぼかす、混ぜるなどの手法を駆使したグラフィックデザインのカタログが多い。
「70年代の初めは風景や植物を透かした雰囲気で重ねる画法や植物そのものをアートに見せるような手法が流行っていました。父が好んでいろいろやっていましたよ。1970/1971 【 *-1、*-2 】 はトスカーナの自然を表現する滝に樹の幹+チューリップ、この大胆な組合せが面白かったんですね。裏表紙もトスカーナの森風景に巨大な黄色の花、これはツキヌキニンドウの種類ですね、つる性の植物です。1974/1975 【 *-3、*-4 】 も空をバックにナーサリーの航空写真を合わせその上にバラを数種散らした不思議な絵でしょう? この年はガーデンイベントで賞を頂いたので、前回と同じくカタログに載せました。でも何の賞だったか…忘れてしまいました。」
 【 *-1 】 1970/71年の表表紙
|
 |
 【 *-2 】 1970/71年の裏表紙
|
 |
 【 *-3 】 1974/75年の表表紙
|
 |
 【 *-4 】 1974/75年の裏表紙
|
「また当時多く流通した樹木の木肌や葉の写真、季節の美しさを見せる樹木の写真を使うことも増えました。秋を表現した1973/1974 【 *-5 】 はRhus typhina ‘Laciniata’ウルシ科ウルシ属で面白い花を咲かせる木です。1975/1976 【 *-6、*-7 】 は冬の景、撮影時にグリーンのフィルター効果で幻想的な仕上がりになりました。私の最もお気に入りのヒトツですよ。1976/1977 【 *-8 】 もいい感じでしょう? 葉が落ちた後のセイヨウサンシュユの枝をシートに押し付けてグリーンのフィルター用紙で挟んだ表紙です。」
 【 *-5 】 1973/74年の表表紙
|
 |
 【 *-6 】 1975/76年の表表紙
|
 |
 【 *-7 】 1975/76年の裏表紙
|
 |
 【 *-8 】 1976/77年の裏表紙
|
「1977/1978 【 *-9、*-10 】 は晩夏…パンパスグラスが風に吹かれている感じが良く出ているでしょう? 当時、この植物が市場で流行していました。1978/1979 【 *-11 】 もおもしろい取り組みで、カエデの葉脈を見せるような繊細なものなんですが…残念ながら画像ではよく見えませんね。」
植物にも流行がある。バブル全盛期には、リゾートホテル開発やゴルフ場、広域にわたる別荘地開発が増えたが、その頃パンパスグラスがあちこちに植えられたように思う。大きくそびえる巨大なススキというイメージのこの植物はリゾートに似合う姿が人気だったと記憶している。ナーサリーは植物の流行に敏感、その年に人気のあった植物をカタログデザインに取り入れるのは効果的だったに違いない。
 【 *-9 】 1977/78年の表表紙
|
 |
 【 *-10 】 1977/78年の裏表紙
|
 |
 【 *-11 】 1978/79年の表表紙
|
 |
 |
|

|

|