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第14回
トスカーナのランドスケープオフィス事情 ― 4 プレゼ資料の紹介



 update 2006.10.25

リポート : 安部彩英子 / ランドスケープデザイナー 






お馴染みのピアンテマーティのフランチェスコ氏を取材。今回は最近のプロジェクト、特にプレゼンテーション用に作成した資料を見せて頂いた。仕事の流れとして一番多いのは、建築家やデザイナーからの植栽計画及び工事の依頼だそうだが、役所への助言・指導等もあるようだ。その際でも、植栽計画のコンセプトや美しさで施主を説得するプレゼが重要である。更に庭園計画依頼の場合はプールや水景設備、照明計画、工作物(パーゴラやベンチ等)のイメージも大切であり、スケッチや図面を用いて説明する。
以下2プロジェクトの施主プレゼの資料を紹介する。

■ una rotonda ロータリー計画

プレゼンテーションプラン
プレゼンテーションプラン:通常は画像処理ソフトCorel photopaintを使用することが多いそうだ。写真は全て自分達のストック。実際のプロジェクトや種苗園で記録撮影したものを使っているのでリアル。
施主:Comune di Prato(プラート市)
デザイン事務所Studio Alchimedia経由で依頼

近年、トスカーナ州、特にフィレンツェ近郊の街では交差点の信号機を外し、中央に円形広場(花壇にすることが多い)を設置してロータリーにする場所がいくつもある。車はこの周りを同方向に回りながら4方面に方向転換する。交差点は信号無視等の事故も多いため、どんどんこの形態に変更しているようだ。

規模:場所により半径5〜20m程度

実際の写真をコンピュータで加工 実際の写真をコンピュータで加工
実際の写真をコンピュータで加工しながら植栽イメージを足していく。

市とデザイン事務所より依頼を受け、円形花壇の提案をした。事務所のデザイナーによる草案はあったが具体的、詳細な植栽イメージを求められた。広い面積であるため、高い樹木やコニファ類を計画。面で美しいことはもちろんのこと、アイレベルでの単調さを避けるよう高さの変化も必要だと考えた。
この事務所は他にも同様の案件を数箇所手掛けているが、予算による植物の減、後のメンテ問題により残念な姿になっているところもあるそうだ。

機能的にはロータリーは上手く活用されているようだ。私の実家がある駅前にもロータリーがあるが、いつも車同士が押し合いへし合いしており、ぶつかりそうになりながらやっと流れている。イタリアの国民性との違いだろうか?
余談だが、ローマのある3車線道路は、夜遅くなって通った時に自主的に4車線になっていたが、皆何事も無く普通に走っていた。暗黙の了解もここまでくるとすごい。

ロータリー工事中
ロータリー工事中:元々あった信号機を撤去し、
円形花壇を設置。
完成後
完成後:実際に使われているが使い勝手はどうなのか?

実はこのプレゼンテーションプランは、Novi Ligure(ミラノからジェノバに向かう途中にある)という町の物件にも提案した。このロータリーはアウトレットSerravalle Scrivia(GucciやArmaniが半額で購入できるそうだ)のエントランスで実現したとのこと。
アウトレットのHP  http://www.mcarthurglen.it

大きな面積を美しく仕上げるために盛土し、出来るだけコストを抑えながら面を覆える這性灌木類をレイアウト。成長も早く表面を緑に覆ってくれる。中心には背の高い針葉樹(Quercus robur fastigiataヨーロッパナラ)の群植を豊かな花灌木で囲う。花灌木は足元が上がってスカスカになり見栄えが悪くなるが、それを中央の針葉樹によって見えなくできる効果がある。特に夜の照明の下ではその力を発揮する。
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