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第9回
イケアPS for キッズ

 update 2003.09.17
リポート : 山本由香 / デザインライター 




8月に、多くのスウェーデン人が待ちかねているものがある。イケアの新しいカタログである。スウェーデンではイケアのカタログは無料で各家庭に配られる。いつもは玄関のドアに「広告お断り」の張り紙をしている人も、この時ばかりはその張り紙を取り外す。イケアカタログがもらえないのは困るからだ。イケアではわざわざ「広告お断り。ただしイケアカタログは大歓迎。」という張り紙を作っているほどだ。一種のイベントとも言えるイケアの新しいカタログは、この時期スウェーデン人たちの話題の的となる。このカタログの発行部数は23言語で1億1800万部であり、世界一の規模と言われている。

イケアのビジネス理念は「機能的で良質なデザインの幅広い品ぞろえのインテリア製品を、できる限りより多くのお客様にとってお求めやすい価格で提供すること」とあるように、イケアのいちばんの魅力はその価格にある。この価格を出すための企業努力はものすごい。全ての事柄に対して世界中をリサーチし、いちばんいい条件を見つけ出している。特に環境と安全への配慮はすばらしい。原材料となる木材は、自然を破壊しないよう十分に配慮された森林を選んでいるし、使用化学物質の規定は、世界でいちばん厳しい規定を持つ国に合わせている。世界中にネットワークを持つイケアだからこそ、ここまでこだわれるのだ。

イケアには毎年テーマがあるが、2004年のテーマは子供用家具である。いつにも増して、子供の家具が充実している。特に注目すべきは、イケアPSによる遊び心のある家具である。イケアPSとは、1995年に未来志向の商品ラインとして付加価値の意味を込めたPS(Post Scriptum)コレクションだ。既存の素材や製品作りであまってしまう材料を効率的に使えないかという考えから始まり、有名デザイナーや気鋭デザイナーを起用して奇抜とも思える楽しい商品を手がけてきた。価格もイケアデザインのひとつであるため、有名デザイナーを起用しても価格が急に跳ね上がったりはしないし、デザイナーの名前を大きく取り扱ったりはしない。あこがれのデザイナーの家具を、他のコレクションとほぼ変わらない価格で手にすることができるのはうれしい限りである。キッズコレクションは、親が子供のために与えてやりたい家具ではなく、子供自身がほしいと思う家具を目指したそうだ。大人でも、内に秘める子供心がよみがえってくるようなウキウキするデザインが豊富だ。そんなイケアPSの新しい家具と、世界一大きい店舗である、南ストックホルムにあるイケア・クンゲンスクルバ店の店内を写真と共にご案内しよう。








スウェーデンカラーであるブルーとイエローの建物がイケアの目印。入り口には遠くからでも分かりやすいように、必ず旗がはためいている。入り口と出口が違うのがイケアスタイル。









正面入り口を入ったところにあるエスカレータ。エスカレータを上がるとリビングルームのエリアにたどり着き、ここからが店内の始まりとなる。イケア・クンゲンスクルバ店は、ニューヨークのグッゲンヘイム(Guggenheim)美術館の建物のように丸い構造をしているので、一周すればエスカレータのある元の場所に戻り、同じ場所を行ったり来たりせずに次の階へと進めるようになっている。





子供家具のエリア。エリアの入り口には「世界でいちばん大切な人たちへ」というメッセージ付きの遊び場がある。子供家具エリア以外にも、至るところに子供の遊び場があるのもイケアスタイル。








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