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「人のためのデザイン」は、彼女達の作品制作においての基盤となっています。日常において陶器は頻繁に使用されているにも関わらず、多くの美術学校では陶芸を「アート」として教えている傾向が強いように感じます。グラスゴー美術学校の陶芸科も、陶芸がどうあるべきかという事に対し、アートとデザインの間を行き来していたとアンジェラがおしえてくれました。
人が使用する事を前提に作られているアンジェラとローラの陶器作品は、花瓶や食器など、確かに実用的なものばかり。しかし2人は、作品の使用用途を限定するつもりはない、と語っていました。小さいカップひとつとってみても、ある人はパーティーでの前菜の盛り皿として使用したり、ある人はピアスなどの小物入れとして使ったりと、用途は多種多様です。「これはこうして使わなければいけない」などと限定するのでなく、使い手の想像力に任せるところも「人のためのデザイン」の理念にかなっているなと感じました。また、客の反応や作品の売れ行きは予想不可能な面もあるため、あせらず、答えをすぐに求めないことも大事だと話していました。
陶芸経験がまったくない私の為に、2人が一連の作業行程を見せてくれましたが、かなりの経験と技術を要することが理解できました。【 写真 15〜23 】

【 18 】 思ったよりも早く、15分ほどで固まりました。そして型から取り外してみると…
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【 19 】 出来上がり! しかしこれから窯で焼き、色付けなどの行程が待っています。
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【 20 】 スプーンなどの固形のものは、このようにしっかりとゴムでくくられた型に、注射器のようなものを使用して15で混ぜたものをを注入します。
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【 21 】 固まったスプーン。
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【 22 】 こちらはアヒルの型です。
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【 23 】 半円の上にアヒルを付け、おきあがりこぼしのような置き物になります。
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美術学校時代、アンジェラは型作りの方法をハンガリー人の技術者から学び、アンジェラよりも一学年下であったローラは、その技術をアンジェラから教えてもらったそうです。「よい型を作るには、材料の配分、混合も正確でなければいけない」と、全ての行程によって妥協が許されないことがわかりました。アンジェラ自身によって書き記されたレシピ本には、色付けの際のリサーチ内容などが事細かに記されていて、陶芸=ろくろ、という一般的なイメージが覆されるようでした。【 写真 24 】
また、明確なコンセプトと技術のバランスが重要で、どちらかが欠けていてはいいものづくりはできないという話にも納得させられました。作品の方向性を位置づけるものとしてコンセプトは重要であり、コンセプトを形にするには技術が必要となります。これは陶芸に限らず、どのような制作においても共通することではないかと思います。Studio at 37 では、陶芸経験が豊富なアンジェラと、新しいコンセプトやアイデアを生み出すローラとのコンビネーションが、バランス良くかみ合っているように感じました。
「自分の居場所を見つける事が大事」とローラは話していましたが、彼女達2人は信念を持ち続け、自分達でその居場所を創り上げたと言ってもおおげさではないかもしれません。作品の撮影も全て自分達で行っているとのことで、出来る限りのことは自分たちでやる、という姿勢がスタジオ運営全体に浸透していると感じました。自分達の持っている技術を生かし、自ら創り上げた理想的な空間で心から楽しんで制作をしている2人が、素直に羨ましく思えました。
現在、2人は「旅」と「食器類」の組み合わせをコンセプトとした新作などを制作中とのこと【 写真 25〜26 】。今後、誰もが気軽に参加出来るワークショップの開催も予定しているそうですが、陶芸は行程が複雑であり、また機材の問題などがあるので、まだ少し先になるようです。また、これからの季節は展示会などへの参加も予定しているとのことで、自分たちの作品をより多くの人に伝えるいい機会だと話していました。今後どのような作品が発表されるのか、彼女達のこれからの活躍が楽しみです。
Studio at 37 ウェブサイト
http://www.studioat37.com/
アンジェラ個人のウェブサイト
http://www.angelapointon.com/
ローラ個人のウェブサイト
http://lmceramics.co.uk/
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【 15 】 ここでは小さなボートの作り方をお見せします。まず、土練機で原料となる粘土などを混ぜます。


【 16 】 【 写真15 】で混ぜたものを型に流し込みます。


【 17 】 余分なものを戻し、固まるのを待ちます。


【 24 】 アンジェラ自作の陶芸レシピ本。研究熱心であることが伝わってきます。


【 25 】 製作中の作品。素焼きの状態が、砂糖菓子の様に見えます。(写真25〜26)


【 26 】

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