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12カ月のパリ
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第44回
ジャパン・デザインの行方 ─ ミラノサローネより ─

 update 2006.05.02

リポート : 浦田 薫 / アート&デザインジャーナリスト 




4月、ミラノ・デザイン・ウィークは、恒例イベントとして華やぐ。

ヨーロッパでは年のはじめからパリ、ケルン、ストックホルムで大規模な見本市が開かれるため、世界各国から集結する大手家具メーカーやデザイナーたちはこれらの見本市にも出展している場合もあるが、あえて最新作品はミラノで発表するケースも多い。

世界最大級といわれるこの家具国際見本市には、隠し事はない。それは、各出展者たちがより高度な内容を披露しようと、練り上げたプロジェクトを持参してくるためである。出展する側が真剣である以上、観衆の目も鋭い。「ものづくり」の対話が成立する条件であろう。

今回は、数多いイベントや観点の中から、ジャパン・デザインについて記したい。MADE IN JAPANという製造元を辿るつもりではなく、かといって日本のノウハウ、伝統産業や最新テクノロジーという偏った見解からでもない、“わしづかみ”の取材から見えた、日本の「ものづくり」の現状に迫ってみたい。

■ 総合的な視点として
トリエンナーレ会場で開催された「Good Design Award展 〜Japan : 50 years of good design awards〜」 【 写真 1 】 。Good Design Awardは、日本に住んでいる方にとっては非常に親しみのある賞であり、イベントでもあるが、展覧会は世界で初めての開催となった。

グッドデザイン賞発足50周年を記念する内容で、およそ100点が展示された。総合監修はデザイナーの喜多俊之氏、建築家Matteo Vercelloni(マテオ・ヴェルチェロニ)が空間演出を手掛けた。メイン通りとその両側に什器が設置され、エントランス付近にはデザイン史に語られるプロダクトが説明されている。会場奥には、柳宗理がデザインしたバタフライスツールに腰掛けて鑑賞できる試写室が設けられている。

日本企業20社の革新的な実績に焦点を当て、「プロダクト・デザイン」「建築と環境デザイン」「コミュニケーション・デザイン」「ニュー・フロンティアデザイン」という4項目で説明していた。ここでは、デザイン業が消費者の生活にしっかりと反映される媒体として培われてきた道程を垣間見ることができる。

デザインの好みは世代間で異なり、愛着のある商品もそれぞれ違うのは当然である。それでも、同じ日本人なら“醤油さし”にグッドデザイン賞を与えることに異議を唱える人はいないのではないだろうか。食生活も多様化してきている昨今、日本人の日常の食卓に“醤油さし”が必然的に登場するとは言い難いが、適度な量を皿にそそぎ、その口から尻漏れしないこの容器を見たことが無い人はいないだろうし、今でも多くの家庭で使われていることであろう。 【 写真 2 】

次ページに続く




Japan : 50 years of good design awards展 風景
【 1 】 Japan : 50 years of good design awards展 風景 © Kaoru URATA

G-Design 1961_soy sauce picher
【 2 】 G-Design 1961 soy sauce picher
Good Design Award提供



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