JDNトップ > レポート > ニッポンの家具デザイン

ニッポンの家具デザイン


第30回
「高岡デザイン×ものづくりツアー」に行ってみた

 update 2008.04.23

くろだあきこ / ライター・デザインエディター 




富山県高岡市。アルミサッシや銅器や漆器の産地として知られますが、JDN読者であれば新日本様式100選になっている「工芸都市高岡クラフトコンペティション」の街と言われたほうが分かりやすいかもしれません。伝統工芸を保存・継承しつつ、それを発展させた新しい商品開発にも力を入れる高岡のものづくり産業。2007年から、ものづくりの現場とクリエーター、バイヤーをつなぐツアーが始まりました。

■ ものづくりの現場を知る2日間
2007年10月に開催された高岡ものづくりツアーの日程は2日間。朝に東京を出て、午前中に2か所の事業所(銅器鋳物)を見学、午後も3軒の工房(漆器塗り・漆器螺鈿・銅器着色)を訪問し、「工芸都市高岡クラフトコンペティション」を見学ののち交流会。翌日は彫金、電気鋳造、漆器彫刻の工房見学や、高岡ならではの鋳物づくりにチャレンジと、みっちりとスケジュールが組まれていました。

■ 地元の産業を束ねる「問屋さん」の役割
今回のツアーの発起人であり、IFFTの総合プロデュースなどを手掛けられたゼロ・ファーストデザインの佐戸川清さんによれば、高岡は問屋さんがきちんと機能している地域のひとつ。

「生産側から品物を仕入れて売る問屋は、どこにでもあるじゃないか」と思われるかもしれませんが、問屋の機能はモノの売り買いだけではありません。どんな商品が市場に受け入れられそうかを調査・企画し、得意分野の異なる会社に何をやってもらうかを調整すると同時に、デザインを決定。発注数を決め、仕事の流れを管理して、納品してもらいます。納品と同時に各工程を担当した会社・事業所に支払いが行われるので、ファイナンスの面でも盤石でないといけない。問屋さんはトレンドを見極める目利きであることが求められるし、経済的な面でもバランス感覚が良くないといけないので、けっこう大変な役割です。「問屋さん」って、馴染みのある言葉のわりに実際のところ何をしているのか知らなかったのですが、プロデューサー役なのですね。

高岡では一つのプロダクトに対して工程ごとに専門の工房が関わってくることが多いので、とりまとめ役としての問屋さんは欠かせない存在です。今後はデザイナーとのコラボレーションを多くして、もっと楽しいものづくりができれば、と企画されたのが今回のツアーです。ひととおり作業を見せてもらい、デザイナーからは「こういうことはできる?」などの質問が出ていました。

次ページに続く





スケジュール
【 1 】 高岡ものづくりツアーのスケジュール。多くの事業所を巡り、ものが作られる工程を実際に見ながら説明を受けます。

錫を使った照明
【 2 】 風鈴で有名な「能作」も見学。能作の、錫を使った照明は自由に花弁を広げられます。

メッシュトレイ
【 3 】 「第3回 和のある暮らしのカタチ展」審査員特別賞を受賞した、メッシュトレイ。

錫素材
卵型の照明
説明中
【 4 】 錫素材なので、伸びる伸びる。元の形に戻すこともできます。
【 5 】 卵型の照明。こちらは錫ではないので伸びません。
【 6 】 漆器塗りの株式会社三佳で説明中。手前の黒いハシゴ状のものは、漆器の塗りを乾かすためのもの。
木地(指物木地)
下地塗り
お膳
【 7 】 木地(指物木地)は別の会社が作ります。これは三佳で塗りの加工する前のもの。
【 8 】 下地塗り。この後、何段階かに分けて漆塗りを施します。
【 9 】 下地塗りが終わったお膳。この後で本格的な塗りを行います。
ツヤ出し
たくさんの製品
漆器
【 10 】 数回に分けて漆の本塗りを行ったあと、手前にある研炭(研炭)で研ぎ、ツヤを出します。
【 11 】 工房にはたくさんの製品が。
【 12 】 本塗りの後に螺鈿を施した漆器もありました。



  1  
  2  
  3  
  4  
 N E X T


JDNとは広告掲載について求人広告掲載お問合せ個人情報保護方針ウェブサイト利用規定サイトマップ
デザインのお仕事コンテスト情報 登竜門展覧会情報

Copyright(c)1997 JDN
このwebサイトの全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。