ジャパンデザインネット
リポート
ニッポンの家具デザイン
第27回 (3)
IFFT、あのブースのつくりかた 静岡つなぐデザイン
■ 子供から大人まで人気のwashbowl
特に注目されていたのが、五島史士(ごとう・ふみあき)さん×杉本家具株式会社のwashbowlです。堂々とした船のような印象の、木のボウル。水からのイメージと、陶器ではできない形を、ということでこのフォルムになりました。杉本家具は造作家具から仏壇まで広く手がけるメーカーですが、仏壇の需要は減る一方なので、今回のウッディフロンティアで木の可能性を探りつつ、何か新しいことはできないかと試行錯誤の末にたどり着いたアイテムが洗面ボウルでした。今までは難しかった防水の問題も、日々進歩していく新しい技術を使うことでクリアできそう、今までにないものができるのでは、という期待は、五島さんのデザインによって見事に実を結びました。
このボウルは、子どもから年配の方まで、幅広い年齢層の視線を集めました。当初考えていたよりも、ずいぶん反響が大きかったそうです。発表後すぐに売ることもできたのですが、より完成度の高い商品を安定して供給するためにはまだ詰められる部分がある、ということで、現在は最終調整中。近いうちに販売される見込みです。
【 写真 9〜14 】
■ スタートからお披露目までの流れと、プロジェクトの効能
プロジェクトに参加する企業は、静岡の各メーカーからの募集により決定。今期は11企業が手を挙げ、その会社の得意分野、想定するターゲット像、デザイナーに期待することを明らかにしたうえで、デザイナーの公募という流れでした。デザインによって自社の可能性をさらに広げたい、という意欲的な企業が集まりましたが、それでもデザインに対する期待や思いにはバラツキがあります。そのため、事務局側が勉強会を開催したり、注目されるデザイナーに講演を依頼したりということもありました(
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/nippon_kagu/13/index.html
)。
デザイナーを決定してから、発表までは約一年。IFFTである程度ブラッシュアップされた試作品を置くことを考えれば、余裕のスケジュール、とは言えません(事実、スケジュールは全体的に一カ月以上の遅れがあり、納得いく段階まで進んだ試作品ができあがったのは搬入前の撮影直前、というところも)。参加デザイナーも、拠点は北から南までバラバラだったため、実物を目の前にした話の進みやすさという点でも、少々難しい点があったかもしれませんね。
【 写真 32 】
次ページに続く
【 9 】
大人気だった、五島さん×杉本家具株式会社のwashbowl
【 10 】
水からイメージされるかたちということで、船のようなフォルムに
【 11 】
こちらは木の固まり感を重視したデザイン
【 12 】
ヘリの部分に特徴があります
Photography by TAKAHIRO INOUE & studio HARADA
【 13 】
四角いバージョン
Photography by TAKAHIRO INOUE & studio HARADA
【 14 】
3つそれぞれに美しいです
Photography by TAKAHIRO INOUE & studio HARADA
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