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最終回
自転車で巡るロッテルダム

 update 2005.07.06

リポート : 田村 望 / デザインライター 




オランダもすっかり夏になりました。名物の雨もそれほど降らず、なかなかいいお天気です。そんなときは自転車で出かけたくなります。平地の多いオランダ、自転車は手軽な移動手段ですし、長時間乗ってもあまり疲れないのが嬉しいのです。聞くところによると、中国に次いで自転車人口が多いといわれるオランダですが、自転車専用道があるのでなかなか快適に街中を自転車で走る事が出来ます。その中でも、自転車の速度に似あう街のひとつがロッテルダムの河口付近でしょう。今日はロッテルダムの河口と中州を中心に、自転車に乗って見て回りましょう。

ロッテルダムの街の魅力は、やはり建築と、ヨーロッパ最大の港湾都市であり、水と陸地、建築によって作られるランドスケープのダイナミックさでしょう。この街は、第二次世界大戦で大規模な空爆を受けたため、多くの古い町並みが失われました。そのため、他のオランダの都市に比べて新しい建物が比較的多いのが特徴です。しかし、多くの家々が失われてしまったといっても、その後修復、復元されたものを含めると、いまでも古い町の面影が、町中に散らばっています。面白いのは、低層の整った町並みがあるかと思うと、その緊張感を突き破るように、現代の技術で建てられた、建築が大胆に配されていることです 【 写真 1 】 。最近では、この河口付近は、現代オランダ建築の博覧会場とでもいう様な様相を呈しています。それではまず、街の東側からスタートしましょう。

最初に見えてくるのは、ホワイトハウスと呼ばれるオフィスビル 【 写真 2 】 。写真の一番右が、10階建てのホワイトハウスですが、建設された1898年ではヨーロッパ一背の高いビルだったとか。上階ほど壁を薄くすることによって、高層化を実現しました。現在では一階はカフェ、上階はオフィスに変わっています。このビルの隣には伝統的な建築の小さな家が建っており、その家の真下には地下鉄が走っています。地下鉄工事の際には町並みを変えないために相当な努力が払われたようで、一度これらの建物をレンガ一つ一つに解体して、移動させ、またもとの位置に戻したというのですから、そのマメさに驚きます。

さて、この場所、Oude Havenという小さなハーバーは、オランダ現代建築を代表する建物の宝庫でもあります。建築案内には必ず載っている1984年のキューブハウスという集合住宅とその脇の鉛筆のような形の集合集宅が、一世代前の町並みと隣り合って不思議なコントラストを生み出しています 【 写真 3 】 。対岸に渡ってみると、この場所がそれぞれの建築によって、その建築の建った時代の様々な匂いを、対比によって強めている場所というのが分かります。 【 写真 4 】

次ページに続く



ロッテルダムの河口・海への入り口辺りの町並み
【 1 】 ロッテルダムの河口・海への入り口辺りの町並み。低層の住宅と、高層の現代建築のコントラスト。見えているのはレンゾピアノ設計のKPN

ホワイトハウスとその脇の伝統的な建築
【 2 】 ホワイトハウスとその脇の伝統的な建築。地下鉄工事のために一度解体され、再度組み立てられた

ホワイトハウス
【 3 】 ホワイトハウスとその向こうのキューブハウスとペンシルビル(集合住宅)

対岸から見たホワイトハウス付近のランドスケープ
【 4 】 対岸から見たホワイトハウス付近のランドスケープ




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