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第4回
Toile de jouyの魔法

 update 2006.11.01

リポート : ミッターク兼子ろみ / カラー&イメージアナリスト 




Toile de jouy(トワル・ドゥ・ジュイ) ── この名前を聞いたことは無くとも、おそらくこのプリント柄を一度は目にした事がある、という人が多いのではないだろうか 【 写真 1 】 。洋書、インテリア雑誌をはじめ、ファッションモードの世界、または陶磁器の絵柄として、Toile de jouyはあらゆる所に顔を出す。

時代を超えた普遍のデザイン、世界中で愛され続ける存在、この魅力はどこから来るのか。どこで生まれて、どのように普及されていったのか。

Toile de jouyを愛してやまない者の一人として、その発祥地であるJouy-en-Josasに足を伸ばし、ミュージアムを訪ねて来た 【 写真 2 】 。今回はこの、洗練されたToile de jouy、別名ジュイプリントの世界へとお付き合いいただきたい。

■ オーベルカンプの貢献と功績
ポルトガル商人によってインドからヨーロッパへと伝えられた色彩豊かなコットン生地、インド更紗。比較的低価で手に入れられる上に着心地の良いそのインド更紗は17世紀のヨーロッパで大流行し、衣服をはじめ、ベッドカーテンや布張りの家具等インテリアの装飾にもふんだんに使われるようになった。
インド更紗の技術を受け継いだ、木版や銅板を使った捺染技術(トワルパント)とその人気の広がりはもの凄く、フランス絹織物やテキスタイル産業を脅かすという理由で当時のフランス王LudwigXIVによって禁令を出されたにも係わらず、更に広がっていくばかり。結果としてその禁令も廃止されるほどであった。

このような歴史を背景に持つプリント生地産業、そしてToile de jouyを語るにあたり、忘れてはならない男がいる。

その男は、ドイツ人、Christophe-Philippe Oberkampf(以下、オーベルカンプ) 【 写真 3 】 。染色職人の父を持つ彼は、自らも染色、布地プリント産業に従事し、フランスはベルサイユから4キロ程南へ向った所にある小さな田舎町Jouy-en-Josas(ジュイ・アン・ジョザス)に工場を構えた。1760年の事である。

巧みに彫られた木版で黙々と色がつけられてゆく捺染作業、ミュージアムの地下室では、その様子がビデオで再現されている。 【 写真 4〜6 】

1770年になると、オーベルカンプはフランスにて初の銅版ローラーを用いたプリントを開始し、それによって、洗練された美しいプリントが大量に生産できるようになった。

彼の功績は高く評価され、かのマリーアントワネットにも愛されてベルサイユ宮殿を飾り、歴史を重ねて今現代、私達の住まいへさえも用いられるようになったのである。そう思うと、なんと感慨深いものであろうか。

木版作業
【 5 】 木版作業
木版作業
【 6 】 木版作業


次ページに続く





Toile de jouy
【 1 】 Toile de jouy

Toile de jouyミュージアム外観
【 2 】 Toile de jouyミュージアム外観

Christophe-Philippe Oberkampf
【 3 】 Christophe-Philippe Oberkampf

木版彫刻
【 4 】 木版彫刻



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