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第8回 (3)
森の学校で考える「持続可能な未来」 ヴァンター自然学校Nature Trip





■ 「あの森」の未来
 朝から歩き続け、遊び、学んで、疲れが見えてきた子どもたち。半日のNature Tripの最後に待っていたのは、お楽しみのランチタイムでした。湖のほとりに集まり、お弁当を広げます。そして、フィンランドのアウトドアに欠かせないソーセージのバーベキュー! ユハ-マッティさんが手際よく火を焚いて、ソーセージを焼いていきます。服が汚れて不機嫌だった子も、転んで泣いていた子も、美味しいにおいに誘われて集まってきました。【 写真 12〜14 】

 子どもたちがお弁当に夢中になっている時間、ユハ‐マッティさんにNature Tripで大事にしていることをうかがいました。「自然豊かなフィンランドでも、都市部に住む子どもたちは自然に触れる機会がとても少ないです。森の中に入りたくない、車の中から見るだけで十分、と言う子どももいます。それでは、自分が自然の一部であると実感できません。Nature Tripでは、できるだけ自然に“触る”機会を作っています。見たり、聞いて学ぶだけでは忘れてしまいますが、自ら触れて感じたことは忘れないでしょう。“生物”や“地理”といった個別の教科を学ぶ前に、“自然”という全体像を捉えるチャンスを子どもたちに提供していきたいです」【 写真 15〜16 】

ユハ‐マッティさん
【 15 】 ユハ‐マッティさん

お昼休み湖でおたまじゃくしを見つけて喜ぶ子どもたち
【 16 】 お昼休み湖でおたまじゃくしを見つけて喜ぶ子どもたち

 帰り道、ユハ‐マッティさんが子どもたちに、Nature Tripで何が印象的だったかをたずねました。「蚊にたくさん刺されたこと」「ぬかるみに足がはまるのが怖かったけどおもしろかった」「おたまじゃくし」と、色々な感想が聞こえてきました。

 自然学校や環境学校の活動をめぐっては、自然・環境に対する意識向上に本当に貢献できているのか、Nature Tripへの参加は自然・環境への深い理解につながるのかといった議論があります(※5)。実際に参加してみると、Nature Tripは自然と分断された生活を送る都市生活者にとって、「環境」というテーマを確実に一歩身近にしてくれる体験でした。参加前は、美しい景色の1つでしかなかった「ただの森」が、参加した後では、驚き、疲労、不快、喜び…様々な感情を体験した「あの森」に変わりました。「あの森」の生態系はどうなっているのか、私たちの生活が「あの森」の未来にどのような影響をもたらすのか。これらの問いを、参加前後で継続的に学ぶプログラムを実施すれば、Nature Tripをより豊かな学びの場へと変えていけるのではないかと期待します。【 写真 17〜18 】

湖のほとりで
【 17 】 湖のほとりで
冒険を終えて森を後にする
【 18 】 冒険を終えて森を後にする

※5
参考:Eila Jeronen, Juha Jeronen, Hanna Raustia, Environmental Education in Finland - A Case Study of Environmental Education in Nature Schools, International Journal of Environmental & Science Education, Vol. 4, No. 1, January 2009, 1-23





ランチタイム
【 12 】 ランチタイム

ユハ‐マッティさん
【 13 】 手際よく火を焚くユハ‐マッティさん

ソーセージのにおいに誘われ集まる子どもたち
【 14 】 ソーセージのにおいに誘われ集まる子どもたち




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