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第1回 (2)
「すべての人に学びの機会を」タンペレ市サンポラ図書館





■ 「学力世界一」の秘訣
「子どもの学び」に貢献するべく、サンポラ図書館では様々な取り組みを行っています。館内には、自分が子どもの頃こんな楽しい空間があったら良かったのに、とうらやましくなってしまうコーナーが用意されています。
フィンランドでは夏の間、森と湖を眺めるサマーコテージに出かける伝統がありますが、そのコテージを思わせる子どものための読書スペース。この空間には小さなサイズのかわいらしい机や椅子が用意されていて、子どもたちはきっと胸を躍らせながら、たくさんのすてきな絵本に出会うことと思います。 【 写真 5〜8 】

コテージ内部
【 6 】 コテージ内部
子ども専用の読書スペース
【 7 】 子ども専用の読書スペース

「子どもの学び」への取り組みは、空間デザインにとどまりません。市内の小学校と協働して、子どもたちが作家と直接ディスカッションをできる読書会など、子どもが本を楽しく読み、学ぶための動機づけをするイベントが定期的に行われています。
最近では、家庭内でもっと親が子どもに本を読み聞かせ、親子がともに読書を楽しむ習慣を促そうと、「Read to me, Daddy(お父さん、本を読んで)」というキャンペーンも企画しているそうです。
これら子ども向けの活動に積極的に取り組んでいるのは、「幼い頃に読書の習慣を身につけられるかどうかが、子どもの学力にとって重要な問題だから」、ということでした。三つ子の魂百まで。子供の幼い頃からの「学び」のあり方を、家庭、学校、地域社会が一体となって考え、取り組んでいる姿に、フィンランド「学力世界一」の秘訣を見たような気がしました。




読書スペース
【 5 】 子どものためのコテージ型の読書スペース

子ども用コンピュータ
【 8 】 安全なコンテンツのみアクセス可能な子ども用コンピュータ



■ 「インターネットバス」が街を行く
サンポラ図書館が「子どもの学び」と同時に、もうひとつ注力しているのが、「メディアリテラシー教育」。「メディアリテラシー」とは、日本の総務省の定義に従うと、次に挙げる3つの力の複合的な能力のことです。「1.メディアを主体的に読み解く能力」、「2.メディアにアクセスし、活用する能力」、「3.メディアを通じコミュニケーションする能力」。
この「メディアリテラシー」は、インターネット時代の到来により、情報が氾濫する現代社会において、教育分野でも重要なテーマとなっています。

サンポラ図書館では、市民の「メディアリテラシー」を高める活動として、誰もが無料でインターネットを使うことができる「Net Square」というコーナーを設けています。ここには常時20台のコンピュータが配置されていて、可動式の壁を動かすと教室になる室内では、市民のニーズに合わせた数多くの講座が開かれています。最近は、会員制のコミュニティサイト、ブログ、地図サービスといった新しいインターネット上のサービスの活用をテーマにした講座が多いようです。受講者の年齢層は、仕事をリタイアした60代から70代が特に多く、中でも女性が大半を占めるそうです。マリアーナさんは、「リタイアした人たちは学びたいと思っても学ぶ機会が少ない。そんな人たちにも積極的に図書館を使ってほしい」と語っていました。 【 写真 9 】

この「すべての人に学びの機会を」という精神は徹底していて、図書館の中に留まらず、「インターネットバス」と呼ばれる、言わば「動く教室」が、平日は毎日住宅街を巡回するという活動にまで広がっています。
「インターネットバス」はコンピュータ室、講義室を備え、5人のスタッフが月曜から金曜まで常駐して、タンペレ市内を走り回り、市民のインターネット利用と情報理解を促進しています。この活動は、「おそらく世界中の図書館で、ここが初めてです」ということでした。 【 写真 10 】

次ページに続く





Net squareの内部
【 9 】 Net squareの内部

インターネットバス
【 10 】 インターネットバス。
参照:
http://www.tampere.fi/kirjasto/nettinysse/kuvia.htm



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