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ブエノスアイレスの住宅街を歩いていると、たびたび「TAPICERIA」という看板が目に留まります。これは「椅子の張替え屋」という意味です。椅子の張替えで生計が成り立つの? と思う方も多いと思いますが、わが家の近くのとある一角では、10ブロック×10ブロックの中に私の知るだけでも4軒のTAPICERIAが立ち並んでいます。それだけ需要が多いということなんですね。
さて、第2回で触れた「Mercado de Las Pulgas(蚤の市)」に立ち退き騒ぎの進展をチェックしに寄ったところ、ある店のおばさん曰く「何か買わない? 安くするから。今の状況だと明日何が起こるか分からないから、売れるものは売っちゃいたいのよ」とのこと。偶然にも半年も前から欲しいと思っていた肘掛椅子があったので、半年前の価格170ペソ(6,800円程度)を130ペソ(5,200円程度)に値切って購入しました。
この椅子は、1960〜70年代のものと思われます。背が破れてパッキングがはみ出しており、スプリングもだめになっていますが、枠組みはまだまだしっかりしています。せっかくの機会ですので、椅子の張替えを試してみることにしました。 【 写真 1〜2 】
近所の4軒のTapiceriaのうち、適当に飛び込んだのがここ、Gabriel氏の店です。だいたいTapiceriaは年配の職人がやっていることが多いのですが、彼はまだ30歳と若い。しかしながら、お祖父さん、お父さんと3代続く職人一家に育ち、すでに12歳のときには店で立派に働いていたそうです。 【 写真 3 】
椅子を持ち込んで「何かモダンな布で張り替えて欲しいんだけれど…」と相談すると、椅子の生地専門店の住所を教えられ、「ここで気に入った生地を買ってきて。無地だったら1.4×1.6m。柄の場合はセンタリングしなきゃいけないから余分にいるので、1.4×2.3m」との指示を受けました。
ということで、早速生地の専門店へ。この店に置いてある生地はすべて、椅子・ソファの張替え用です。迷いに迷った挙句生地のサンプル頼むと、手際よく端切れを用紙にくっつけて、値段を書いてくれました。 【 写真 4、5 】

【 4 】 椅子・ソファ用生地専門店 |
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【 5 】 作ってもらったサンプル。「サンプルを頂戴」と頼めば、うるさいことは言わずに何種類でもくれます。
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サンプルを持ち帰って検討の末、この生地に決定。 【 写真 6 】

【 6 】 |
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【 1 】 Mercado de Las Pulgas(蚤の市)で購入した椅子


【 2 】 破れて飛び出したパッキング。30〜40年前のものなので天然素材です。


【 3 】 今回写真撮影に協力していただいたGabriel氏

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