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<JDN> <REPORT> <西海岸再発見>
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第7回
( 2 )


サンタ・バーバラ もう一つのカリフォルニア



スパニッシュ・コロニアルの流行と保護

スパニッシュ・コロニアルは1915年のサンディエゴ環太平洋博覧会で、今までにはない華やかな会場設営をしたい、という事で取り入れられたスタイルで、その後爆発的に一般大衆に流行したものです。支配者階級がつくった確立されたスタイルではなく、大衆が支持する個人的なスタイルとして今日まで引き継がれています。5回目のレポートで御報告したシンドラー(R. M. Schindler)のような斬新でモダン建築家が、住宅の大量供給体制が可能にしたこの「大衆のスタイル」と戦わなくてはいけなかったというのも事実でしょう。(スパニッシュ・コロニアルスタイルではなかったために、行政から建築許可が下りなかったり、お金の援助がなかったり、一般の人に支持されなかったり等。)

博覧会がきっかけになったことも要因としては大きいのですが、元々カリフォルニアがスペインの植民地であったという過去が、このスタイルの大きな支持の背景になっているように思われます。スペインから連想されるすべての物、地中海、イタリア、イスラムのデザイン、そしてもともとカリフォルニアに住んでいたアメリカンインディアンのデザインもインスピレーションに取り入れて、カリフォルニアとつながっているありとあらゆる過去を掘り起こして確立されたスタイル、という訳なのです。

1960年には、サンタ・バーバラは市の条例として、このスペイン風の建築スタイルを正式に認め、特に18世紀に建てられたアドビ(日干しレンガ造りの建物)が残っているダウンタウンの中心部では、すべての建物がこのスタイルに従うように法律を定めました。観光も重要な産業であるので、街の雰囲気作りは死活問題というわけです。新築の建物やショッピングセンターもそれらしく統一されており、チェーンストアであるスーパーマーケットなどは、他の町の店と比べると全く違う店舗デザインで作られているので、一見何の店か分からないほどです。と言うわけで、サンタ・バーバラはアメリカでもまれに見る「統制と計画遂行」(Control & Planning)の街ということで知られています。

アメリカでも可能なデザインコンセンサス

未来へと視点を定めるクリエーターにとっては、こういうスタイルが蔓延するのは面白くないかもしれませんが、マーケッターの視点から観察すると、アメリカという土地柄もあり、「伝統回帰する嗜好」ということが読み取れて、中々面白く感じられます。実際に、未来志向の大都会・ロサンゼルスからそれほど離れていない所にサンタ・バーバラのような街が背中合わせに存在し、都会の喧噪を離れ豪華な邸宅をここに構えるハリウッドスターも多いということは、「伝統的なカリフォルニアスタイル」イコール「プレステージ」というテイストとランクの暗黙の公式を信じている人も結構いるのでは? とさえ思ってしまいます。

色々な人種が集まったアメリカ・カリフォルニアにコンセンサス(大多数の一致した意見)のとれたスタイルが存在するというのは、日本にいた時には想像もしていなかったので、こちらに住むようになって実物の街、建物、人々を観察していると非常に興味深く思います。



銀行



Stuccoと呼ばれる白壁



新聞社 Santa Barbara News Press



バスも景観にあうように作られている。



1920年代に作られたモール



ダウンタウンにあるショッピングセンター

スパニッシュ風をモダンにアレンジ

ダイナーも外観はスパニッシュ風

タイルの貼られた階段

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