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WestCoast 再発見

第5回 (2)


シンドラー、キングスロードの自邸


■低い床
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現在は閑静な住宅とおしゃれな店が建ち並ぶWest Hollywoodであるが、この住宅が建てられた当時は禿げ山と畑の広がる野性味あふれる場所であったらしい。昔と変わらず現在も背の高い竹の生け垣で囲まれた敷地は、まわりの新しいアパートメントとは全く趣を異にしているので、Kings Roadは小さな通りであるにも関わらず、この場所を探し出すのに苦労することはない。

木とコンクリートで出来たこの建物の床は地面に届くほど低く、庭は家と一体化している。一見アメリカにいるとは思えない、どちらかと言えば私達に馴染みの深いアジア的な雰囲気の建物である。全く個人的な感想であるが、私は沖縄・八重山の戦後に建てられた比較的新しい家を思い出してしまった。濃厚な植物の香りとコンクリートの壁。もっとも沖縄では熱を遮るために、また台風などの自然災害が多いので、もっと壁は厚く頑丈に作られているのではあるのだけれども…。


■「妻の家」
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Schindlerはこの住宅を建てる為に、Slab-Tiltという現場の地面の上でコンクリート・パネルを平打ちし、それを一枚一枚持ち上げて壁をつくるという工法を試している。当時のロサンゼルスは建築技術がそれほど高くなく、またこの地が温暖な気候であるが故に、このような実験的な建物が建てられたのである。

工法もさることながら、建物のレイアウト自体も大胆なライフスタイルが反映されている。基本的にこの建物は2組の家族の共同生活場、仕事場として建てられた。そこには、寝室を含めて個室というものがない。キッチンも2家族が共同で使えるものが1つあるだけである。屋根の上には「スリーピング・ポーチ」と呼ばれる屋外で寝るための小屋が、それぞれの家族用に取り付けられている。屋外スペースも居住スペースの一部と考える南カリフォルニアのライフスタイルを反映して、このような造作となっている。

この家のプランは、Schindler本人のものというより、むしろ妻のPauline Schindlerの希望に則してつくられた。彼女がいなければ、この大胆な家は建てられなかっただろう。社交的なPaulineは様々な人々、金持ちや芸術家だけでなく、労働者や教育者などあらゆる人々が集う家、コミューナルライフスタイルをつりたいと夫に相談し、そしてこの家が作られた。実際、Schindler本人よりもPaulineの方が長生きしているので、彼女は23年も長いこのSchindler Houseにすんだことになる。まさにここは「彼女の家」なのである。



Schindler House

Schindler House

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Schindler House

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