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デザインリポート
都市の食欲 サードプレイスの行方
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 リポート
 サードプレイスの行方
 


第1回
カフェだけじゃない。 ─ 本当のサードプレイス ─

 update 2004.02.25

リポート : ミルキイ・マヤトモ / 建築ライター 




サードプレイスとは、家でもオフィスでもない「第三の場所」のこと。

今そこにいることを楽しむために訪れる場所。ただ何となくぶらりと寄れる場所。それでいて、いつも温かく迎え入れてくれる。そこはオフィスとホームの中間地点であって、みんなの場所なのに、プライベートな場所でもある。数年前から、東京で増えたカフェやスターバックスなども、このサードプレイスに近いコンセプトを持っている。だが、ほんとうのサードプレイスは、まだ日本には根付いているとは言えない。この連載では<サードプレイス>をキーワードにして、都市やそのライフスタイルについて幅広く考えて行きたい。

第1回目の今日は、サードプレイスというコンセプトの紹介です。

■ サードプレイスとは
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【 1 】
都市に生きている人には、3つの居場所が必要だと言う。1番目の場所(ファーストプレイス)は「家」であり、2番目の場所(セカンドプレイス)は「職場(学校)」である。そしてこのふたつを結ぶ中間地帯が3番目の場所、つまり「サードプレイス」である。この「サードプレイス」という概念は、アメリカの社会学者レイ・オールデンバーグによって“The Great Good Place” 【 写真 1 】 で紹介された。その後、スターバックスが事業コンセプトの核として採用したことで日本でも有名だ。

人間は、形式張らない社交の場に集い、仕事や家庭の問題を忘れ、くつろいだ雰囲気で話をしたいという欲求を持っている。ドイツのビアガーデン、イギリスのパブ、フランスのカフェは、日常生活の憩いの場だ。そこはニュートラル・グラウンド(中立地帯)であり、社会的地位はさておき皆が平等に扱われ、会話が主たる活動となる。アメリカでも、かつては居酒屋、床屋、美容院などがそういう場所だった。だが、郊外化の進展とともに、これらの場所は姿を消しはじめ、自己充足的な郊外型住宅に取って代わられた。こうした場所がないため、都市生活の本質であるさまざまな関係や人との多様な接触が欠落することになる。この欠落の故に、人々は群衆の中にあって孤独な状態にとどまっている。

−「スターバックス成功物語」で引用された、“The Great Good Place”−
■ 都市のイメージ
パリと言えばカフェ、ロンドンと言えばパブを連想するように、サードプレイスでは都市文化が育まれ、街のイメージとして定着している。オルデンバーグは、イギリスのパブについて歴史的考察を加えている。パブは19世紀当時は、階級に応じて複数の空間に分化していたという。これは、階級やTPOの異なる客に同時に対応し、バーの集客能力とともにサードプレイスの包容力を最大化するためである。そのほかにもフランスのカフェの典型や、アメリカのサードプレイスとしては「大通り」や「ドラッグ・ストア」「本屋」「床屋」なども挙げられよう。このように、サードプレイスに商業施設が多い理由については、買物目当てに来訪する人々と、溜まり場として愛用する周辺住民とで賑わい、情報交換の場となりやすいためというのがオルデンバーグの分析である。

■ サードプレイス・ムーブメント
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【 2 】
“The Great Good Place”はベストセラーとなり、続いて“Celebrating the Third Place” 【 写真 2 】 が出版された。以降、「都市の居場所(プレイス)」に対する注目が高まり、「プレイス・ランキング」という新しい本のジャンルが生まれるなど、一般市民を巻き込んだ大ブームとなった。

サードプレイスという概念は、なぜこれほど急速に浸透したのだろうか? 都市は、その巨大なスケールや複雑さのために、特定の文脈で読み解くのが難しいということがよく言われる。だが、都市を「場所(プレイス)」の集積として捉えれば、ずっと身近なものとして感じられるのではないか。「都市を“場所(プレイス)”に分割する」という視点が、都市を考える際の大きな魅力になってくるのである。
















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