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2005 ミラノサローネ特集
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猪原昌朗 : Milano Slone 2005 Report !(3)
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Salone del Mobile公式OpeningPartyの会場風景
第3弾は木村浩一郎氏のエキシビジョンをご紹介します。上記写真はエキシビジョンパーティーでの演出のひとつ、Pharaohシリーズの容器を内包したシャンペンタワー。

猪原 昌朗
Inohara Masaaki


猪原昌朗

デザイナー 1978年大分県生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科、Nuova Accademia di Belle Arti プロダクトデザイン学科インテリア専攻を経て2004年ミラノを拠点としてUOVOを設立。イタリアと日本をフィールドに、インテリア、グラフィック、Webなどの分野で活動中。



【4月15日】

4月15日、22時より、ミラノの中心Duomoからほど近いクラブ“Quincy”において、ミラノサローネのあらゆる展示を網羅しているInterniのハンドブックにも掲載されず、一晩限定で、あるエキシビジョンパーティーが行われた。
プロダクトデザイナーとして数々の賞を受賞し、世界的な評価を受けている木村浩一郎氏によって催されたイベント「Koichiro Kimura presents Anarchy&Gorgeous」である。


PharaohシリーズのDJブース
Pharaoh
PharaohシリーズのDJブース。
 



ミラノサローネの裏イベント(ミラノサローネ・オフィシャルのイベントではないが故、あえてこう呼ばせてもらおう)と言えるこの催し。その中身を見てみると“裏”とは言えないほど充実した内容であったことは、訪れた全ての人が実感したことであろう。その理由は、木村浩一郎氏の、デザインというよりは芸術作品に近い、作品の完成度に終始するだろう。


Pharaohシリーズの代表作HevensDoor
Pharaoh
Pharaohシリーズの代表作HevensDoor。
 


Golden M-Chairのアップ
Pharaoh
Golden M-Chairのアップ。正に芸術作品です。
 



Pharaohと名付けられた一連の作品は、エジプトのピラミッドをモチーフとした四角錐のオブジェクトで構成されている。硬質のプラスチックの上に漆塗りが施されているこのオブジェクトを複数使用し、一見単純ながら、その先進的な感性を用いて、扉、DJブース、椅子等を作品として展示しており、中でも、木村浩一郎氏とファッション界のトップランナーDolce&Gabbanaとの友好の印として後者に送られる、金箔によって装飾が施されたM-Chair(Pharaohシリーズの椅子)の美しさは圧巻であった。


Dolce&Gabbanaに贈られたGolden M-Chair
Pharaoh
Dolce&Gabbanaに贈られたGolden M-Chair。
 




さて、ここでひとまず、その場に居あわすことができなかった方の為に、簡単にイベントの内容を解説しよう。
先ず、イベントの開幕を知らせる合図となったのは、氏の作品であるPharaohのオブジェクトを組み合わせてデザインされたシャンペンタワーの演出である。突如、デザインの祭典とは場違いとも思われるドラッグクイーンが登場し、シャンペンタワーにMoet&Chandonのシャンパンを並々と注ぎ、そのグラスを観客に配るのである。高価にして、芸術作品に飲み物を注ぐという、一般的には禁卑的な行為が行なわれるのであるが、その意外な演出が氏の作品の美しさをよりよく引き立たせる。それと時を同じくして、金箔を施したチョコレートケーキを入れたPharaohシリーズの容器を持ったスタッフが会場内を周回する。

ここでひとつ、木村浩一郎氏の言葉を挿入させてもらおう。
「かっこ良くなければ意味が無い。」のである。

その後もあっと言わせる、エキシビジョンとしては異例の演出が行なわれる。Jazzバンドによる演奏、S&Mショー、、、。形に乗っ取った中での見栄の張り合いとも言える、ありきたりの演出合戦の中において、氏のエキシビジョンが特殊且つ、刺激的、印象的であることは言うまでもない。


>パーティーの開幕を告げる、ドラッグクイーンによるパフォーマンス
Party
パーティーの開幕を告げる、ドラッグクイーンによるパフォーマンス。
 


私自身もシャンペンを注がせて頂きました
Party
私自身もシャンペンを注がせて頂きました。
 





そして、最後に一言付け加えさせて頂けば、筆者はこの「Anarchy&Gorgeous」のオーガナイズ及び、シャンペンタワーの企画・デザインまで携わらせて頂いた内部者なのであるが、第三者的立場からいろいろなエキシビジョンを拝見させて頂いたうえで、この木村浩一郎氏のイベントが、他には無い、デザインの未来及び可能性を明確に見せてくれた唯一のエキシビジョンであったと明言する。
これは、我々内部者の力によって成り立ったものではなく、クリエイター・木村浩一郎氏の確固とした表現の形と理論の確立故であることは、改めて言葉に直すまでもなく、実際にこのイベントを訪れた全ての人が実感していることであろう。


パーティーは大成功に終わり、木村浩一郎氏とスタッフで記念撮影
Party
パーティーは大成功に終わり、木村浩一郎氏とスタッフで記念撮影です。
 



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