ジャパンデザインネットのトップページ
リポート
100% bar@100% Design Tokyo
 ジャパンデザインネット
 リポート
 JDNリポート
 

 page │  TOP  1    2    3    4    5    6    7    8    9    10    11    12

(Agriculture+Food)×Design=100% bar

100% Design Tokyoのメイン会場の中、大きなテントの屋根の下に、もうひとつの建物が立ち上がる。しなやかな曲線で縁取られた空間。期間限定カフェの100% barである。メイン会場のフロアには、今年のテーマ「LOVE GREEN」を意識し、緑の大地を思わせるカーペットが敷かれていた。100% barの床も同じく緑の素材で仕上げ、一部にはメイン会場と同じカーペットを用いた。大きな空間に細身のラインで輪郭を描いた外観は、会場にほどよく馴染む。


100% bar外観

施工前の100% barのスペース

緑の繋がるカフェフロア


100% bar外観

施工前の100% barのスペース。緑のカーペットを敷いてゆく。真ん中で緑のトーンを変えたのは、メインフロアと一体化させながら、カフェとしての区切りも持たせるため

緑の繋がるカフェフロア。ベンチはメインフロアと同じ仕上げで、地面が盛り上がっているイメージ


カフェのモチーフはビニールハウス

100% barの輪郭を描くのは、ビニールハウス用のスチールパイプだ。結束バンド、ジョイント、裸電球など、ビニールハウス用の資材を使いながらも、その印象はとても軽快でスマート。ぱっと見てビニールハウスであることに気が付かない人もいたかもしれない。空間デザイナーの長昌規恭氏(Nagayoshi Design Inc.)は「農作業の現場で使われる道具を用いて、そのパーツの配置の仕方や空間内部のレイアウトなどで、どこまで洗練された印象が出せるかを模索した」ということなので、そうとは気付かなかった、というのは狙い通り。

しかし、ひとたび内部に入ると、そのイメージは変わる。100% barの壁から屋根へとつながるライン、それが連続することで作られるリニアな空間、エリアを仕切る白い布、テーブルの上に置かれたハーブ、これらの組み合わせは、ビニールハウスを思い起こさせるに十分な仕掛けだ。このカフェのデザインコンセプトは(Agriculture+Food)×Design。カフェ全体でAgricultureを意識させる仕組みである。


メイン会場の屋根
天井の直線的なラインは、メイン会場の屋根。カフェは、やわらかなラインで空間の区切りを意識させる

 
潔いデザイン
【 1 】

ビニールハウスだと気づかせる
【 2 】

ちいさなagriculture体験
【 3 】

中と外とでは、見通しがよくても違う空間
【 4 】

【 1 】 裸電球を使った照明は、コードのたわみをバランスよく配置することで美しい印象を持たせた潔いデザイン
【 2 】 外観ではそれとわからなくても、中に入ってみるとそれぞれのパーツが複合し、ビニールハウスだ、と気づかせる
【 3 】 テーブルの上のハーブを、ちぎって料理の仕上げにする人もいた。ちいさなagriculture体験
【 4 】 ビニールハウスの躯体のスチールパイプが並ぶことで、目には見えない壁を意識させる。中と外とでは、見通しがよくても違う空間


農業の現場にある資材で空間を構成

ビニールハウスをメイン会場の中で組み上げるにあたっては、苦労もあった。躯体となるパイプは、通常、土に突き差して固定するものだ。しかし、100% Design Tokyoのメイン会場は床材に覆われている。本来ならメイン会場と完全に一体化させたかったのだが、構造上難しい。結局、基礎を作ってパイプを溶接し、ボディを完成させている。この部分だけは実際のビニールハウスと異なるが、それでも、緑のフロアが続く空間はメイン会場との一体感を高めるに十分な役割を果たしていたし、部材の連結に使われる結束バンドは端部の処理をしないことで印象を軽やかにするなど、細かい部分まで注意を払って施工がされていた。


本来は突き刺して使うビニールハウスのスチールパイプ
カフェの輪郭を、一本

接合部を連結していく
ビニールハウスの施工に使われる専用パーツ
次第にできあがってゆくカフェ
本来は突き刺して使うビニールハウスのスチールパイプ。土に刺す先端部分は現場で切断した
   カフェの輪郭を、一本
   メインのパイプを建て込んで、接合部を連結していく
   青い部材は、ビニールハウスの施工に使われる専用パーツ。白い布を留める結束バンドは、端を切ると無骨な印象になるので、あえてそのままに。ぴんと延びたラインは、意外に繊細
   次第にできあがってゆくカフェ

食のデザイン、空間のデザイン
100% barは、そのエントランスにあるとおりproduced by Vantanのカフェ。デザインを担当したNagayoshi Design Inc.の長昌規恭氏はバンタンデザイン研究所の講師で、フードは食の専門スクールレコールバンタンの学生が担当。バンタンは、フードの面でもデザインを重視している。野菜をふんだんに使い美しく盛りつけられたプレートの数々は、通りすがりの来場者の食欲を刺激したことだろう。壁面にあえてビニールを貼ったりせず、カフェの中が見通せるようにデザインされた空間は、人の興味を連鎖させる効果も十分。テーブルで集い、食事を楽しむ人々を見て、「美味しそうなもの食べてるなぁ」と引き寄せられた人は、決して少なくなかったはず。100% barが期間中いつも賑わっていたのは、イベントカフェとしての理想的なデザインが形づくられていたからに違いない。
開催期間 : 2009年10月30日(金)〜11月3日(火)
開催時間 : 11:00〜20:00(最終入場時間19:30まで)
場所 : 明治神宮外苑絵画館前 100% DESIGN Tokyo内
主催 : 株式会社バンタンフューチャークリエイション
株式会社バンタンデザインマネジメント

■空間デザインに携わったバンタンデザイン研究所
http://www.vantan.com/
■フードメニュー開発・100% bar運営を行ったレコールバンタン
http://www.lecole.jp/
■バンタンスクールのWEBマガジン
http://www.vantan.jp/
■JDN秋のデザイン特集
http://www.japandesign.ne.jp/aki/09/

カフェスタッフは、みんなレコールバンタンの学生達
カフェスタッフは、みんなレコールバンタンの学生達。スペシャルな空間での接客には自然と笑顔が
フードの見せ方にもデザインは必要
フードの見せ方にもデザインは必要。このエリアの飾り付けは、すべて学生が行った
野菜をふんだんに使ったフードが人気を集めた
食べている様子は自然に目に入る
「六本木農園」「麹町カフェ」のコラボレーションなどで、野菜をふんだんに使ったフードが人気を集めた カフェのすぐ横は通路になっており、食べている様子は自然に目に入る。通りすがりに「おいしそうー」の声も
いつも多くの人が集っていた100% bar
いつも多くの人が集っていた100% bar


ページトップへ

戻る
TOP  1    2    3    4    5    6    7    8    9    10    11    12
次へ



JDNとは広告掲載について求人広告掲載お問合せ個人情報保護基本方針ウェブサイト利用規定サイトマップ
デザインのお仕事コンテスト情報 登竜門展覧会情報

Copyright(c)1997 JDN
このwebサイトの全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。