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GRAPHIC TRIAL 2009
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八木克人 Yagi Katsuhito
アートディレクター
1971年東京都生まれ。99年東京藝術大学大学院美術学部修士課程修了後、凸版印刷株式会社入社。トッパンアイデアセンタークリエイティブ本部に在籍。出版分野を主体に雑誌、カタログ、カレンダー、ポスターなどのクリエイティブディレクションを手がける他、旅を通してランドスケープの写真を撮り続ける。自らの写真を素材とした映像作品や、絵画、音楽等他ジャンルのアーティストとのコラボレーション作品など、写真という枠にとらわれない制作活動も行っている。
トライアルに向けて
今まで世界各地で撮りためた自然の情景の中から、岩、植物、水、空などの「質感」を抽出して、オフセットでどこまで再現できるかがテーマです。写真というものは実体をありのままに写し取ろうとしますが、最終的にはつるりとした印画紙の上にプリントされます。これをインキの選択や版の重ね方によって、自然物のもつ本来の「質感」に迫ることが課題です。
世界各地のさまざまな色合いや温度をもった「水」、地球を構成する固体物質の最小単位である美しい形状をした「鉱物」など、それぞれの「質感」を組み合わせて、最終的には架空の「結晶体」としてビジュアル化したいと考えています。今まで撮りためてきた写真の「結晶」を、印刷技術の「結晶」として作品に融合できればと思います。
時間とお金が許すときは、すぐにでもカメラを手に旅に出ては世界各地で美しい自然を撮り続けてきたという八木氏。今回のトライアルの参加が決まり、毎日エスキースをしながら自分の写真を眺めるうちに頭に浮かんだのが「クリスタル(結晶体)」のイメージだったそう。「クリスタル」を軸に、自然物の美しく多彩な質感が印刷で見事に表現されています。
「岩」の重厚感、ざらっとした手ざわり。濡れた感じまで表現された透明感溢れる「水」。「木」のパリッと乾いた木肌の表面は、黒背景の光沢によりいっそう引き立てられています。そして彩度の高いなめらかなグラデーションの「空」。自然界の質感が見事に結晶化されています。
「岩」では4色と金、銀などの刷り重ねによって雲母のようなきらめきと層の質感が表現され、「空」では鮮やかさを出すために広演色インキ「Kaleido」を使用することで、同じ原稿でも様々な表情を見せます。「水」の透明感を出すのには、淡い青緑系をメインとした6版で印刷され、透明感を残しつつ深みのある青が表現されています。モアレを回避する為にスクリーンはフェアドットを使用しており、その違いはルーペで確認することが出来ます。

 
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