
|


渡辺氏のデザインは、自分のインスピレーションをそのまま作品に投影するのでは無く、生産性を考慮した上で、「使われる」ことをまず一番に考えます。
戦後の量産体制が整ってきたころからは渡辺氏のデザイン領域も広がり、リキベンチや時計など、公共施設などで使われることを前提とした設計も増えて行きました。

|
≪キャスロン≫
ミニモニターと回転式文字板の技術が結びついて生まれた数字式時計。キャスロンとは、18世紀前半にイギリスの活字製造者ウィリアム・キャスロンによって生み出された書体名。機械部分を包む外側のケースの形は「ころんとしたもの」という渡辺氏のイメージにより方向付けがなされたといいます。
601型は、リキスツールをはじめとするペーパーファニチャーとともに1967年、第13回毎日産業デザイン賞を受賞した際の選考対象作品となりました。
≪小さな壁時計≫(服部時計店) 1970年
この時計が発表された1970年代初頭の日本は、瓦屋根、畳、障子といった和風の住空間から欧米風で近代的な表示をもったモダン・リビングへと移行しようとしていた時期でした。
「デザインは日常性のなかにある」
という渡辺氏の理念のもと、日本人の生活空間の変化を敏感に捉らえたデザインとして評価されます。

「日本の生活にイスを取り入れていこう」
東京工芸で学んだことをそのまま守り続けてきた渡辺氏。
会場をでると4脚ほど実際に座って体感できるスペースがあり、座った時、ゆったりとした時間が流れたように思えました。
日本人だからこそ感じ取れる「低座」の良さ。「和」の面影。
さまざまなデザインが飛び交うボーダレスな時代ですが、渡辺氏ならではのモダン・デザインに触れていただきたいと思います。

|
「渡辺 力 リビング・デザインの革新」展
|
会場:東京国立近代美術館
会期:2006年1月13日(金)〜2006年3月5日(日)
休館:毎週月曜日
時間:10:00〜17:00
金曜日は20:00まで開館
(入館は、閉館時刻の30分前まで)
入場:一般 420円
URL:http://www.momat.go.jp/
問い合わせ:03-5777-8600(ハロータ゛イヤル)
|
|


|
 |

≪キャスロン401≫ (1965年頃)
|

 |
|
 |

≪小さな壁時計≫(服部時計店) (1970年)
|

 |


|
|