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クサマトリックス / 六本木クロッシング
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「水玉強迫」
「水玉強迫」入口付近より

「水玉強迫」
「水玉強迫」

写真左、「映像および草間が自ら歌う…。」写真右、「天国へのぼる階段はやさしく」
写真左、「映像および草間が自ら歌う…。」では、草間自身が作詞・作曲した『「マンハッタン自殺未遂常習犯」の歌』と『君は死して今(亡き父母に捧ぐ)』を自らが歌う映像が流れる。
写真右は、ネオン管のはしごが鏡の世界に永遠に繋がりゆく「天国へのぼる階段はやさしく」


「インヴィジブル・ライフ(迷い込んだ見えない死の入口)」
黒と黄色のドットと鏡で構成された「インヴィジブル・ライフ(迷い込んだ見えない死の入口)」。ここを抜けると最後の作品「ハーイ、コンニチワ!」が現れる。

「ハーイ、コンニチワ!」
「ハーイ、コンニチワ!」




クサマトリックス:草間彌生展

今展のタイトル「クサマトリックス」とは、草間彌生の名前と、母胎、発生源を意味するマトリックス(Matrix)をあわせた造語とのこと。66プラザから東京シティビューへ、ゆるやかに繋がる赤と白の水玉模様を追ってたどり着いた先はまさしく“母胎”。最初の展示室である「水玉強迫」は、360度を赤と白の水玉に囲まれ、同じ水玉模様のバルーンが浮かび、鏡による連続とガラスによる透過の混在した空間は、展示室入り口まで東京のパノラマ風景を一望していた世界が嘘だったかのように、一気にクサマワールドへとのみ込まれてゆく感覚に襲われます。
草間彌生は、少女時代の幻覚体験に触発された絵画にはじまり、60年代のニューヨークを舞台にアート界に変革の萌芽を撒き、常に時代の先端を走り続けた国際的アーティストです。独自の世界を展開し、旺盛な制作活動を続けてきた彼女が、新たにつくり上げた最新作が今展では展開されています。そのほとんどが観客の全身を包み込むインスタレーション作品で構成。部屋から部屋へとそれこそクサマワールドの胎内を進んでいくように作品は展開します。


ラブ・フォーエバー(愛はとこしえ)

「水玉強迫」で一気にクサマワールドへと引き込まれたあとは、「蛍の群舞の中に消滅するあなた。」や「インヴィジブル・ライフ(迷い込んだ見えない死の入口)」など、草間が長くモチーフとして用いた水玉や鏡を多用した作品が展開。そして、最後の作品「ハーイ、コンニチワ!」では草間作品の新境地を見ることになります。
草間は“このインスタレーションを見つめる私の心の底に、涙がとめどなく流れている。なぜなら、この少女たちは私に「ハーイ、コンニチワ」と語りかけたからだ。私の忘れられた幻の青春に投げかけた愛の問いかけである。「ラブ・フォーエバー(愛はとこしえ)」と何度、私は心に叫んできたであろう。『時』は迫り来ることは人々のならいである。その終結に平和を望んで、一層「愛はとこしえ」と叫ばずにはいられない。”と述べています。
また、南條史生 森美術館副館長は今回の草間展について“死というものを常に意識しながら、再生へと向かっていくストーリー”になっていると言います。実際に「天国へのぼる階段はやさしく」「インヴィジブル・ライフ(迷い込んだ見えない死の入口)」など“死”意識せざるを得ないタイトルが作品にはつけられており、私たちはその“死”の面影をどこかに感じながら草間作品にのみ込まれ、対峙しながらクサマワールドを体感することでしょう。
そして、最後にたどり着く作品「ハーイ、コンニチワ!」で心温まるような何かを、少なからず感じるのではないでしょうか。それが草間の叫んできた「ラブ・フォーエバー(愛はとこしえ)」であり、南條副館長の言う「再生」なのでしょう。

とはいえ、今回の草間彌生展を楽しむには、難しいことは考えず、クサマワールドへと飲み込まれるままに飲み込まれ、感じるままに感じるのが一番かもしれません。
古くからの草間ファンはもとより、「現代アートってなんだか良く分からない」人や東京シティビューへ景色を見に来ただけでそもそも美術に興味が無い人、または小さな子供たちまで、誰もが楽しめる展覧会ではないでしょうか。


 「クサマトリックス:草間彌生展」

 会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー52階)
 会期:2004年2月7日(土)〜2004年5月9日(日)
 休館:会期中無休
 時間:月・水・木 10:00〜22:00、金〜日・祝前日 10:00〜24:00、火 10:00〜17:00
 ※いずれも入館は閉館の30分前まで
 入場:一般1,500円、学生(高校・大学生)1,000円、子供(4歳以上〜中学生)500円
 ※東京シティビュー、および、「六本木クロッシング」展(2月7日〜4月11日)も入館可
 URL:http://www.mori.art.museum

 取材日:2004年2月6日(金)
 取材協力:森美術館




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